TikTokは5月12日、あらゆる段階でコンテンツ制作を支援する生成AIを活用したツールキット「TikTok Symphony」の機能拡充を発表した。

親会社バイトダンス(北京字節跳動科技)の動画生成AIモデル「Dreamina Seedance 2.0」を統合した動画生成ツール「Symphony Creative Studio」は、既存のアセットやテキストを入力するだけで、わずか数分でゼロから動画を生成可能。今回追加された「Reference to Video」機能により、プロンプト内で使用したいアセットを直接指定できるようになった。

Symphony Creative Studioでは、単一または一連の画像から、シームレスに動画アセットを生成することも可能。動画の翻訳・吹き替えや、活動履歴に基づいてブランドや製品に合わせてカスタマイズされた自動生成動画が毎日提供される「Your Daily Video Generations」、ライセンス契約を結んだ俳優のアバターでコンテンツに命を吹き込む「Symphony Digital Avatars」などの機能も備えている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「TikTokが動画生成AIツール群を一気に拡張した今回の発表は、これまで広告代理店や制作会社が担ってきた「動画クリエイティブの内製化」を、中小事業者や個人にまで開放する一手だ。

画像数枚から動画を生成できる「Reference to Video」、ユーザーの活動履歴に合わせて毎日カスタム動画が自動生成される「Your Daily Video Generations」──制作の発想自体が、撮影・編集を前提とする時代から、AIに指示して結果を選び取る時代へと移っていく。

配信プラットフォームが制作ツールまで自社内で提供する「垂直統合」のスタイルは、AdobeやCanvaといった独立系制作ツールとも、従来のメディア企業とも異なる経路を辿っている。動画広告の参入コストが大きく下がる中で、勝負を分けるのは制作リソースの量ではなく、ブランドが届けたいメッセージの解像度に変わっていきそうだ。」