Netflixは、AIを活用した短編アニメーションコンテンツを制作する新社内スタジオ「INKubator」を構築している。将来的には、長編プロジェクトへの展開も計画している。米アニメ・VFX業界メディア「アニメーション・マガジン」が伝えた。

Netflixによると、同社のコンテンツクリエイターと協議しながら立ち上げられるアーティスト主導のアニメ・インキュベーターで、同スタジオ独自のIPを基にした新たな拡張されたストーリーを開発することを目的としている。クリエイターにアーティスト中心の実験の場を提供し、従来のアニメーション制作手法に加え、新しいツールやワークフローをどのように活用してストーリーテリングの能力を高められるかを探求できるようにする。

一方で、同社は「Netflix Animation Studiosの映画は、今後も従来のアニメーション技術と手法を用いて制作され続ける」と強調した。

Netflixは、INKubatorに関する計画をまだ公式に発表していないが、 LinkedIn上の数件のプロフィールによると、同部門は3月にひっそりと立ち上げられたようだ。COOには、ドリームワークス・アニメーションなどで戦略職を歴任したセレーナ・アイヤー氏が名を連ねる。

最近公開された複数の求人情報によると、米ロサンゼルスとサンノゼ郊外のロスガトスを拠点に、プロデューサー、ソフトウエアエンジニア、CGアーティストなど、幅広い職種の人材を募集している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「NetflixがAI制作と伝統制作を「二層構造」で同時に動かす戦略を取り始めたことが、今回の動きから読み取れる。「INKubator」はAI活用の短編実験スタジオ、一方の「Netflix Animation Studios」は従来のアニメーション技術と手法で長編映画を制作し続ける。同じ社内に「両方やる」と明言した点が興味深い。COOには元ドリームワークス・アニメーションの戦略職セレーナ・アイヤー氏が就き、LAとロスガトスを拠点に、プロデューサー、ソフトウェアエンジニア、CGアーティストを横断的に募集している。AIをめぐる「導入か、拒否か」の二項対立に対して、Netflixはリスクとリターンを切り分けて両方を運用する第三の道を選んだかたちといえそうだ。」