Spotifyは5月14日、Apple Podcasts独自のHLS(HTTP Live Streaming)動画技術への対応を発表。これにより、Spotifyでコンテンツを配信しているクリエイターは、既存の設定を変更することなく、SpotifyとApple Podcastsの両方でビデオポッドキャストを配信し、収益化できるようになる。

HLSの採用により、Spotifyのリスナーは、インターネット接続環境にかかわらず、常に高品質な動画体験を楽しめるようになる見通し。Spotifyは、年内のHLS実装を目指している。

Spotifyは併せて、Libsyn、Podigee、Audioboom、Audiomeans、Podspaceなどのホスティングプロバイダーを利用している制作者が、Spotifyに直接ビデオポッドキャストを公開し、「Spotifyパートナープログラム」を通じて収益を得られるようになったと明らかにした。

Spotifyは2020年にビデオポッドキャストの提供を開始して以来、動画コンテンツへの注力を強化。今年初めには、動画の収益化要件を緩和した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「動画ポッドキャスト(Vodcast)で、AppleとSpotifyが手を組んで王者YouTubeに挑む。その基盤となる規格HLSとは──Appleが2009年に発表したHTTP Live Streamingの略で、視聴者の通信環境に応じて画質を自動調整する仕組みを備え、現在も世界中の動画ストリーミングを支える基盤として機能している。

長年ポッドキャスト市場で覇権を競ってきたSpotifyがこの規格を採用し、Apple Podcastsへの動画配信と収益化に対応する流れは、ビデオポッドキャストが「プラットフォーム非依存」の段階に入る転換点を物語る。クリエイターは既存ワークフローを変えずに両プラットフォームへ届けられ、収益も維持できる設計だ。

差別化の軸は独自仕様の囲い込みから、共通規格の上にどんな体験と収益モデルを積み上げるかへ移っていく。同じ土俵に立った両社の連携が、YouTube一強の構図に新たな選択肢を持ち込んでいく。」