6月22日に開幕する世界最大規模の広告・コミュニケーションフェスティバル「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」では、マイクロドラマ(スマートフォン向けの縦型・短尺のストーリーコンテンツ)が注目の的となる見通しだ。米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)が6月11日報じた。

アジアで生まれたマイクロドラマという形式だが、TikTokやInstagramリールなどを利用する若い世代にリーチするための手段として、現在では米国のスタジオ、プロデューサー、ブランドにより急速に採用・適応が進んでいる。

ブランドメッセージを15秒や30秒のCMに凝縮する術を何十年も磨き上げてきたマーケティング専門家たちにとって、マイクロシリーズはうってつけ。デジタルインフルエンサーとの単発のコラボレーションよりも費用対効果が高く、制作予算も比較的抑えられるとして、実験の場として使えるところも魅力のようだ。

AI制作ツールを手がける「Framewerx」のジョン・アタード氏によると、60本の1分半のエピソードから成るマイクロシリーズの制作費は10万〜30万ドル(約1,600万〜4.800万円)の範囲。

前払金なし・プラットフォームでのエピソード販売による収益の一部を受け取る形式でも「成功すれば」「数百万ドルを稼ぐことができる」ため、従来タレントたちも出演を熱望するようだ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「アジアで生まれたマイクロドラマというフォーマットが、米国広告業界の主役にも躍り出そうだ。6月22日開幕の世界最大の広告フェスティバル「カンヌライオンズ」で、スマホ向け縦型・短尺ドラマが注目の的になる見通しだ。
先日のインド「JioHotstar」(Tadkaが2ヶ月で1億人ユーザー獲得)、中国発のReelShort、DramaBoxの世界展開と同じ波で、米国でもスタジオやブランドが「縦型ストーリー」に本気で取り組み始めている。
15秒・30秒のCMで磨かれたマーケティング技術が、そのまま「1分半×60本」のマイクロシリーズに転用できる点も追い風だ。費用も10万〜30万ドル(約1,600〜4,800万円)と、伝統的なTV CMより抑えられる。世界の広告制作の標準が、縦型・短尺へと寄っていく動きと言えそうだ。」