中国デジタル出版社COLグループ傘下のマイクロドラマプラットフォーム「FlareFlow」は、サッカー界のアイコンであるネイマール選手(ネイマール・ダ・シウヴァ・サントス・ジュニオール)から肖像権の使用許諾を得たと発表。FIFAワールドカップ開催期間中に、ネイマール主演のAIを活用した実写シリーズを配信する。
同シリーズは全16作品。スポーツを題材とした更生ドラマからSFに至るまで、幅広いジャンルを網羅している。第1弾(6作品)は、6月19〜22日に世界同時配信が開始となる。
COLはこのシリーズを、AIを活用した実写制作ワークフローを通じて制作されたプレミアムコンテンツと説明しているが、画面に映るネイマールの姿のうち、実際に撮影された部分と生成された部分がそれぞれどの程度を占めるかは明らかにしていない。今回の取り組みを「弊社の『Vertical 2.0』戦略の真の幕開け」と表現しており、男性ユーザーの取り込みを狙う。
同社は、2021年にマイクロドラマ事業に参入。マイクロドラマを米国市場に導入したとされるアプリ「ReelShort」の開発元である米クレイジー・メープル・スタジオの株式49%を保有している。FlareFlowは、COLが2025年4月に立ち上げた独自の国際プラットフォームで、登録ユーザー数は3,300万人に達している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「マイクロドラマ(スマホ向け縦型・短尺ドラマ)は、いまや巨大産業だ。中国では2025年に売上が約94億ドル(約1兆4,800億円、劇場興行収入を初めて上回る規模)に達し、米国も約8億ドル(約1,290億円)超で国際市場をけん引する。インドも視聴者数3億〜5億人に達するとの予測があり、急速に立ち上がっている。
この成長市場で、中国COLグループ傘下のFlareFlow(登録3,300万人)が、サッカー界の象徴ネイマール選手の肖像権を得てAI実写シリーズ16作を投入する。注目したいのは、この起用が「男性ユーザーの取り込み」を狙う戦略の幕開けと位置づけられた点だ。
これまでマイクロドラマの主な顧客は、恋愛や復讐劇を好む30〜60代の女性層だった。世界的スターを起用しスポーツ題材を揃えることは、女性層に支えられてきた市場の裾野を、手薄だった男性層やグローバル市場へと広げる一手と読み取れる。新たな観客を呼び込みながら、中国発のフォーマットが世界へ広がっていく節目を映し出している。」














