ソーシャルメディア・エンゲージメント・プラットフォーム「Metricool」は7月28日、YouTubeに関する最新の報告書を公表。7万1,177のアカウントにまたがる79万9,718本の動画からデータを抽出し、米国のクリエイター経済について包括的な結論を導き出した。
それによると、フォーマットを問わず、YouTube動画の平均再生回数は前年比で増加している。長編動画は、再生回数が前年比76%伸び、視聴時間は11%拡大。一方、ショート動画の再生回数は127%伸び、測定された全再生回数の61%が現在、ショートフィードから発生している。
視聴者はより多くの長編動画を視聴している一方で、次の動画へと素早く移っており、平均視聴時間は以前に比べて大幅に減少している。YouTubeの長編動画におけるエンゲージメントは前年比で45%低下しており、ショート動画においても平均視聴時間は16秒と、前年の48秒から劇的に短くなっている。
ショート動画は長編動画の視聴者を奪ったわけではなく、むしろそれらを吸収したような格好で、長編動画はショート動画のような振る舞いを見せている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ショート動画の平均視聴時間は約16秒。1年前の48秒から3分の1になった。80万本を分析したこの数字は、作り手に厳しい現実を突きつける。だが、悲観だけで終わる話ではないと思う。全員の視聴が浅くなったということは、裏を返せば、最後まで観られる動画の希少価値が跳ね上がったということだ。
YouTubeのアルゴリズムは視聴の深さを重視するとされ、広告価値も滞在時間に紐づく。皆が16秒で去る世界では、5分つかむ作り手が図抜けて見える。実際、報告書も闇雲な量産より週2〜4本の丁寧な投稿を勧めている。
かつて活字メディアが速報の洪水の中で「読ませる長文」を武器に生き残ったように、動画も「観させる力」の二極化へ向かうのだろう。フィードの奔流に流されない一本を、どう作るか。一見、浅い時代こそ、深さが戦略になる。」














