Spotifyは8月4日、第2四半期(4〜6月)の決算説明会で、ポッドキャストが同社の収益に「好影響」を与えていると説明。通年でマーケティングとAI関連の投資により、通年で2億ユーロの営業費用の増加を見込んでいると明かした。米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」が伝えた。
株価は、発表当初は5%下落したものの、最終的には発表前の株価を0.5%上回る水準で引けた。投資分野がAI分野であったことから、投資家の警戒心が和らいだ可能性がある。
第2四半期の総売上高は47億7,700万ユーロ(約8,718億7,400万円)と前年同期比14%増加。このうち、サブスクリプション収入は43億3,100万ユーロを占めた(15%増)。
月間アクティブユーザー数(MAU)は12%増の7億7,700万人、有料会員数は9%伸びて3億人に達した。営業利益は6億5,500万ユーロで61%拡大した。
Spotifyは同日、ファンがAIを活用したカバー曲やリミックスを作成できる新ツールの提供に向けて、インディペンデントのデジタル音楽ライセンスパートナーであるマーリン(Merlin)と提携したと発表した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotifyの決算で見逃せないのは、ポッドキャストが収益に「好影響」と明言されたことだ。長年、巨額投資の回収を疑問視されてきた分野である。それがいま、利益率を過去最高の33%台へ押し上げる一因になった。
理由は収益の構造にある。音楽は再生のたびにレーベルなどへの支払いが発生するが、ポッドキャストやオーディオブック、AI生成の機能は、その比率が軽い。音楽で人を集め、音楽以外で利ざやを稼ぐ——「音楽だけの会社」をやめた設計が、数字になって表れた。
振り返れば、動画のVodcast、オーディオブック、対話型AIと、この数年の同社は「耳の時間ぜんぶ」へ守備範囲を広げてきた。エンタメアプリが総合化へ向かう潮流の、音声側の先頭走者である。
音楽産業にとっては、パートナーの重心が音楽の外へ広がることの意味を、静かに考えさせる決算でもある。」














