ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)のラヴィ・アフジャ会長兼CEOは9月9日、ニューヨークで開催されたバンク・オブ・アメリカ主催カンファレンスに登壇。Netflixとの長編映画の世界的なPay-1ライセンス契約(劇場公開終了すぐの独占配信契約)が、スタジオにさらなる確実性をもたらし、クリエイティブなリスクを取る余地を与えてくれるとの見解を示した。米エンターテインメント業界誌バラエティーが伝えた。
アフジャ氏は、SPEが総合エンターテインメント・ストリーミング事業を持たない独立系スタジオであることから、映画を自社で保有せずに、NetflixとのPay-1ライセンスのような契約を結べると説明。こうした契約を結んでいる大手スタジオが他にないという事実が、同社の作品に大きな価値をもたらしており、それがこの戦略の価値を物語っていると述べた。
SPE製作のNetflix長編アニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』については、最初はそれほど勢いがなかったものの、時間をかけて人気を築いていったことから「Netflixのプラットフォームが同作品の成功に大きく貢献した」と評価した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「発言の中で、具体例として挙がった作品が興味深い。SPE製作のNetflixアニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』である。アフジャCEOは、公開当初は勢いがなかったが、時間をかけて人気が育ったとし、「Netflixのプラットフォームが成功に大きく貢献した」と率直に評価した。世界的な社会現象となったこの作品は、実は分業の産物だ。作ったのはソニー、届けて育てたのはNetflix。おすすめアルゴリズムが視聴の火を絶やさず、口コミが波を重ね、楽曲がチャートを駆け上がる頃には、初速の鈍さは忘れられていた。劇場公開なら初週末で命運が決まるところ、配信は作品に「育つ時間」を与えたのである。制作の腕と、配信の育成力。両者が揃って初めて生まれた成功であり、だからこそソニーは作品を売り、Netflixは買い続ける。ヒットの手柄を素直に相手に譲るCEOの言葉に、この分業への確信がにじむ。敵対でなく共生の形が、ここでは上手く回っている。」














