ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)とソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)と法廷闘争中の音楽生成AI「Suno」は、9月1日に裁判所に提出した答弁書の中で、AI訓練に使用するためにYouTubeから音声データを取得したことを改めて認めた。
一方で、Sunoは「著作権の対象となる表現の複製が行われているとしても、その複製は合衆国法典第17編第107条に基づくフェアユース(公正な利用)に該当する」と主張。また、Sunoは原告側がデジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1203条(a)項が定める「被害を受けた者」には該当せず、YouTubeのストリームリッピングに関する請求を提起する当事者適格がないと主張した。
Sunoは昨年5月時点で既に、YouTubeから音声ファイルをダウンロードしたことを原告側に開示していたが、今回、正式な形で認めた格好だ。
事実認定手続きは9月30日に終了し、双方がフェアユースの問題について即決判決を求める見通しだ。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Suno訴訟が、大詰めの形を見せてきた。同社は9月1日の答弁書で、AI学習のためにYouTubeから音声データを取得したことを正式に認めた。争いから「事実の有無」が消えたのである。残る争点は純粋な法律問題だ。Sunoは、複製があってもフェアユース(公正な利用)に当たると主張し、さらにストリームリッピングの請求については、保護技術を持つのはYouTubeであり、レーベル側は法の定める「被害を受けた者」に該当しない、つまり訴える資格がないと反論した。事実認定の手続きは9月30日に終わり、双方がフェアユースについて即決判決を求める見通しという。陪審の心証を争う長期戦ではなく、判事が法解釈で白黒をつける短期決戦の可能性が出てきた。AI学習と著作権の核心に、初の本格的な司法判断が下るかもしれない局面である。業界が2年待った「基準」の発表は、想像より早く来る可能性がある。」














