『ストレンジャー・シングス』『エミリー、パリへ行く』などのストリーミング作品は、ファンを購買者に転換する点で、調査対象となった全エンターテインメントIPの平均を30%上回るーー。電通スポーツ&エンターテインメントが、ロンドンで開催されたエンタメとテクノロジーのカンファレンス「SEG3」で発表した最新のファンダム・インテリジェンス調査から、こうした実態が明らかとなった。

調査結果は、2025年12月に米国、英国、中華圏、インドを対象に実施した2万1,000件以上のオンラインインタビューと、東京の電通拠点が6年間にわたり収集した行動データを合わせたもの。アニメ、ゲーム、映画、テレビ、スポーツ、音楽、クリエイターなど、約200のタイトルに対する認知度、好感度、購入意向を測定した。

スーパーヒーロー作品、子供向けアニメ、定番キャラクターブランドといったエンタメIPは、大手スポーツチーム・イベントに比べて、ファンを購買者に転換する率が2〜4倍高い。アニメの文化的な影響力は、米国のZ世代にとってNFLと肩を並べるもので、台湾では成人層に最も影響力を持つエンタメとなっている。

この調査は、電通がブランドとファンコミュニティのマッチングツール「ファンダム・インテリジェンス」プラットフォームを世界市場に拡大する上で行われた。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「エンタメIPのファンは、スポーツのファンよりも2〜4倍お金を使う——驚きの最新調査が、そんな逆転現象を浮かび上がらせた。スーパーヒーロー作品や子供向けアニメ、定番キャラクターが、大手スポーツチームやイベントを上回る購買転換率を示したという。
長らく「巨大ビジネス」の代名詞だったスポーツを、アニメや映画の熱量が追い抜きつつある構図だ。
背景には、作品世界への没入が、グッズやイベントへの消費に直結しやすいという特性がある。先のCrunchyrollの調査でも、世界のアニメファン約15億人のうち1割が、アニメを自らのアイデンティティとみなす「ファンダムファン」とされ、深く関与するファンほど財布を開きやすいことが見えていた。
応援する気持ちが、そのまま経済活動に変わる——ファンの熱量をどう測り、どう収益へ結ぶかが、エンタメIPの新しい競争軸になってきたことが読み取れる。」