増井健仁がビジネス、エンタメ、政治など様々な分野のキーパーソンを迎え、”いま起きていること”と”これからの社会”を多角的に読み解き、新しい視点とヒントを届ける「MEDIAMIXI with interfm」。2026年5月19日放送回には、お笑いトリオ・森三中の黒沢かずこ氏が登場。
1998年、NSC東京校4期生の大島美幸、村上知子とともに森三中を結成。以来、吉本興業を代表する女性お笑いトリオとして、テレビ、舞台、YouTubeチャンネル「森三中ube」など幅広く活動し、唯一無二のキャラクターと表現力で長く支持を集めてきた。
一方で、SNSは一切やらず、自宅にWi-Fiも通していないという徹底したスタンスも黒沢氏を語るうえで欠かせない。「性格的にちょっと無理」と本人は笑うが、その距離感が”反応”に振り回されない働き方・生き方を体現している。番組MC・増井健仁とは、BSよしもとの番組共演をきっかけに公私にわたり交流が続く関係でもある。
放送日となった5月19日は、SNS時代の”オンとオフ”の境目、上にも下にも気を遣う就職氷河期世代の生きづらさ、そして「老害」「ソフト老害」と呼ばれかねない世代の”時代への合わせ方”を、MC・増井健仁の振る舞いを俎上に載せて率直に語り合った回。
「波にゆらゆら身を任せるしかない」と語る黒沢氏が、MIXIのスタッフから寄せられた増井への辛口ダメ出しの数々、”演じることで理想の自分に近づく”という処世術、高田純次の名言「年取ってやっちゃいけないことは、説教と昔話と自慢話」、そして「もう51歳、粋がってるのがちょっとダサい」——ビジネスパーソンにも通じる気づきまでを引き出した放送のハイライトをお届けする。
SNSをやらない黒沢に増井が思うこと
「エンタメ未来戦略(仮)」にて、増井と共にMCを務めた森三中・黒沢。2人の会話で話題に上がったのは、黒沢がSNSをやっていないということに対する増井の考えの変化だ。
増井「今、世の中には当たり前のようにSNSがあるよねっていう話を前にしたんだけど、黒沢さんは“絶対にSNSはやらないんだ”と、なんなら家にWi-Fiもないんだと言っていたけど、今もですか?」
黒沢「今もです。やっぱりメンタルの部分はありますよね」
増井「あーそれをね、正しいと思ってるんだよ、今」
黒沢「あれ?増井さん、あんなにSNS……」
増井「やれって言ってたじゃん? 今はね、やってない方がいいかもって、ちょっと思ってて」
黒沢「それはなんでそういうふうになったんですか?」
増井「おっしゃる通りで、発信される側の方は、メンタルのバランスっていうのを取らないと、芸事に多少影響が出るのかなっていうのがあって。萎縮したりもするじゃない?だから、反響がダイレクトに伝わらない方がいいんじゃないって」
黒沢「性格的には、やっぱりちょっと何か無理かなと思って」
増井「黒沢さんの表現もさ、反応を気にしていたらたぶん萎縮するじゃん」
黒沢「確かにね、それを“なんだ、変なことやって”って見てしまったら、ちょっと怖くて萎縮しますし、あと怖くて数字も見られないです」
増井「でもね、今となっては見ない方がいいんじゃないか説」
黒沢「自分の出たテレビも?」
増井「そう、って思うんですよ」
黒沢「増井さんって自分のご出演したものって?」
増井「絶対見ない」
黒沢「このラジオとかも、お聞きにならない?」
増井「もちろん聞かないですよ」
黒沢「あんまり自分のこと好きじゃないですか?」
増井「中身がないので、自分に向き合った瞬間にがっかりするわけですよ」
黒沢「自分に対して?」
増井「そう。黒沢さんってお仕事されてる感覚ってあります?(中略)それこそ昨日の夜、黒沢さんとヒコロヒーさんがごはん食べてる時の2人のトークって、あれもうね、テレビ見てる以上におもしろかったんですよ。見ている側からしたら、これはオンなのかオフなのかもわかんないわけ」

黒沢「そう言われたら。でも、今の年齢になって図々しくなったんで、あんまりオンとオフ変わる方がなんか恥ずかしく感じるような年齢になってきたんで、例えば商店街のロケに行きます。そこの商店街のお店の方にいろいろお話を聞きます。はい、カメラ止まりました。そこからが私スタートだと思ってるんですよ。回ってない時が一番のオンだと思ってます。そういうふうに変えましたね」
増井「でね、それでいうと、我々結構オンとオフってないじゃないですか? 仕事とプライベートと境があんまりないっていうか」
黒沢「そうなんですか?」
増井「でもそれは黒沢さんも一緒じゃない? だってカメラがついて、そのむしろカメラがオフになった時の方がっておっしゃってるってことは、基本ずっとオンというか。(中略)今ってオフィシャルの場も、プライベートの場でも、何かちょっとでも強いような表現があると“それって……”みたいな話になってくるじゃないですか。これ、芸人さんは今そもそも生きづらい時代になってんですか?」
黒沢「いや、私は生きづらくないんですよね」
増井「やっぱりだからSNSやってないっていうのは正解なんだと思うんですよ」
黒沢「そうか、意見を」
増井「そう、要するに反応を見ない方が生きづらくなんないんだと思うのよ。世の中的には周りの空気を読みなさい、合わせなさいみたいなのを感じるわけ。でも、それに対して、いろんな名前がついていて、それがハラスメントなのか、コンプラという名のもとのなにかなのかみたいなのがあって。そもそもこういう会話をしちゃうやつが、もう時代に合ってないよ、みたいなことまで言われかねないわけですから」
増井が描く理想の上司に、黒沢が鋭いツッコミ
黒沢「増井さんの理想の上司像ってなんですか?」
増井「私の本当の理想の上司像はですよ、無法地帯ですよ。何も誰も気にしない」
黒沢「あ、そういう人物になりたい?」
増井「なりたいというか、そもそも気にしながら生きていくっていうのが辛いっていう派なんですよね」
黒沢「増井さん、気にしちゃうタイプなんですね。こっちからしたら無双なタイプに見えますけど」
増井「えっとね、感受性は乏しいかもしれないんだけど、観察力だけあるんですよ」
黒沢「ああ、人のことをね、見てますね」
増井「だから物事の変化は多分人より早く気づくんですよ。ただ、それをじゃあなぜ変化してるのかって掘り下げ出すと、感情の話になっていくわけですよ。で、それは受け止めるともう情報量多すぎるからつらいじゃないですか。ってなると、気づいてるけど、もう置いといてってやっちゃう」
黒沢「向き合わずに」

増井「だからまさに向き合うのは、自分にも向き合うのも大変だけど、人と向き合うのもすごい大変でしょ?(中略)人が、他人に対して興味を持っていない時代、楽しい時代って、SNSもそうだけど、他人が言ってることに“ああだ、こうだ”を個人がテキストなり、人が見える形で発信してる時代じゃなかったわけですよ。テレビを見ながらつぶやいていただけで。それが新聞のように、雑誌のように意見表明されるようになって、今は総メディアになってるから、もう思ったことは匿名で世に放たれるわけですよ。それがリツイートなのか、何なのかわかんないけど、伝播していくわけですよね。みたいなことで言った時に、勝手にやってるから、『それ俺の好きでいいだろ』が通用しなくなるんですよ」
黒沢「今ね。人それぞれですけどね、考え方」
増井「ってなった時に、今って息苦しくない?っていうのが話したいんです」
黒沢「いや、そう言われたら息苦しいですけど」
増井「これどうしていけばいいんだろう」
黒沢「これ?」
増井「うん」
黒沢「趣味を持つのがいいんじゃないですか? だって集中できるのが、自分の集中できる、自分のご機嫌を取るよう、パッと変えられるのがいいから、あんまりもうメディアに向き合わない方がいいし」
増井「ちなみに黒沢さんって、特定の方とご飯に行って、でも先輩もいらっしゃるじゃないですか。我々中年って、結構ズバッと今まで言われてきたと思うんですよ」
黒沢「まあね、上にね」
増井「でもさ、今ってそれってさ、ズバッと言ってもいけないんでしょ?」
黒沢「そうですよね。でも、にしても下から結構言われたりもするじゃないですか」
増井「する。俺いじられ倒してるもん」
黒沢「増井さんいじられてるんですね」
増井「超いじられてる」
黒沢「あらーでもいじりやすい先輩の方が後輩は付き合いやすいですからね」
増井「そう、それはだからいいなと思ってるんですよ。そこはありがたいなと思ってる、ね、反町隆史さんじゃないけど、言いたいことも言えない世の中じゃない?そんなことないですか?」
黒沢「そうですよね。でも、あんまりそこの世界に入っていかないようにしてるんですよ」
増井「あー」
黒沢「今、本線で戦ってないというか、どういうふうにその世界から逃げられるかなと思って、あんまり先輩とかと一緒にやらないようにしてるし、後輩にも行かないし、一人で行くのが多いし」
増井「まださ、我々中年って先輩は分かりやすいから接しやすいじゃないですか。でも後輩?これどう僕たちは生きていけばいいんですかね」
黒沢「増井さんって多分自分が外にいろいろ知り合いを作りに行ったりとか、会いたいと思ったら誰か一人通せばその人に会えるっておっしゃってたじゃないですか。そういうのを同じように自分と同じチームになったら求めるんですか?」
増井「それは求めないんだけど……何らかの形で一緒にやるってことは、番組もそうかもしれないですけど、設計があるじゃないですか。やっぱりチームだからこそ、その設計の中でやろうよっていうのは、いつも思うんです。例えば、スポーツチームに例えると、すごい簡単じゃないかなと思うんだけど、サッカーチームって、監督が各ポジションを決めるじゃないですか。でも僕の感覚は、言えば通用するって、みんなが思ってるように見えるんですよ、なぜか」
黒沢「今?」
増井「今。僕がもう見てるのが間違ってるのかもわかんないんだけど」
黒沢「でも増井さんがやってきたことも、そういうことですよね?」
増井「……」
黒沢「うわ、黙った。ラジオで黙った。皆さんいいですか? 今、天井見ました、黙って」
増井「あれ?それを老害って言うのかな」
黒沢「増井さんがずっと言ってることって、増井さんがやってることですからね。だから増井さんの上司たち、どういうふうに増井さんと向き合ってきたんだろうと思って」
増井「激怒してましたよ。マンツーマンで会議室呼ばれて、こんな会社見たことねえよ!って。(中略)「会社来い」「朝来い」みたいなことを言われて“一個だけ質問していいですか?この会社ってここにしか流れてない電波と電源があるんですか?”って聞いたり」
黒沢「はい、出ました。増井さん。増井さんは絶対生きやすいですよ、この世の中」
増井「嘘だ!」
黒沢「だって自由にやってきてんだもん、増井さん昔から」
増井「マジ?」
黒沢「マジだよ」
増井「僕今苦しくてしょうがないのよ」
黒沢「いや、全然だよ。増井さんの周りがどんだけ苦しかったか。増井さん、よくそんな今まで付き合ってくれたいろんな会社の方いらっしゃいますけど、ほんと良かったですね」
増井「感謝しかないんだよ」
黒沢「感謝しかない、感謝しかないですよ、上司にも」
増井「あ、ってことは、今度後輩のみんなには?」
黒沢「自由に、だからその、じゃあ監督になったとします。“僕はディフェンダーで来ましたけど、フォワードは本当はやりたいんです、いや、フォワードやりますフォワード行かせてください”って言われたら、増井さんは野放しにするんでしょ? でもそのチームをまとめなきゃいけないんですよ、どう向き合うんですか?」
増井「……ちょっとCMを挟んで後半も黒沢さんにお話伺ってきます」
黒沢「増井、答えてくれよ(笑)」
ビジネスマンも理想の自分を演じた方がいい
そこから話題は、誰と何の話をするべきかという話題に。黒沢はエンタメの話はエンタメ好きな人と、恋愛の話は恋愛好きな人とするようにと小学生の頃から話し相手を分けてきたと話した。増井に対するスタッフからの声が上がった。
黒沢「増井さんコミュニケーションが取れない、何も言わずに歩き出したり、意思疎通が図れないのが苦痛って声も、スタッフから届いています」
増井「え、僕コミュニケーション得意だと思ってんだけど、真逆だよね、これ?」
黒沢「増井さんは、こういう風にマイクがあったら、意思疎通はできるんですよ。でも第三者が見てなかったら意思疎通取るのが難しいんじゃないですか? たしかにMCを一緒にやってる時も、増井さんって顔色を変えてないから感情がわからなかった」
増井「そういうこと?てか逆にみんなあるの?そんなに」
黒沢「(中略)そうやってみんな生きていくんですよ、学校でも」
増井「僕、今年の目標が目が合った人全員に、こんにちはって言うのを目標に立ててるんですけど、それ迷惑行為ってこと?」
黒沢「迷惑行為じゃないですけど、増井さん、ほら、私たちが今日ね、吉本興業で。こんな見られる機会ないから、MIXIみんなで行こうって言って見に来たわけですよ。そのときの増井さんの挨拶“どうも”でしたよ」
増井「え、何?ってことは、黒沢さんが今日いらっしゃってくださった瞬間は、おはようございますっていう感覚だけど、全くそれの0.5ぐらいにしかなってないってこと?」
黒沢「そう、もう(錦鯉の長谷川)雅紀さんぐらい伝わるくらいでやらなきゃ。増井さん、普段このトーンでしゃべるとトーンが低く見えるんですよ。(中略)TVCMって番組の間に流れるから、低いのが流れちゃうと温度が全部落ちちゃうんです。だから、全部高い温度で作ってるじゃないですか?」
増井「これさ、すっごい貴重な今アドバイスいただいたんで、そういう日を作って、テンション1.5倍、リアクション1.5倍で一日過ごしてみます」
黒沢「増井さんの場合、3倍! やっぱり人の上に立つとか、MIXIの顔になる場合、そこは上げなきゃいけない。例えば、このMIXIのYouTubeで木村さんがローテンションでゲストを迎えていましたけど、DeNAの社長見ました?素晴らしかったですよ」
増井「南場会長ね」
黒沢「そう!木村さんローすぎる。だから、MIXIってローな会社なんだって思われちゃうんですよ。だから自分が顔となった場合に、やっぱり1.5倍、3倍作らなきゃ!」
増井「ってことは、基本的にはやっぱりみんなテンション高い方がいいよねってことですよね?ビジネスマンもね」
黒沢「ビジネスマンでも、特にエンタメのところで働いてるんだから、目の前の人を楽しませないと良くないわけですよ。まずは目の前の人を楽しませないと、1億2000万人以上を楽しませられないんです。それが俳優さんだったら、映画をチケット払ってくれる人が見に来てくれるけど、私は皆さんに提供するものだから、やっぱり皆さんに合わせて明るさというか、私が普段暗いので、今マネージャーさんが何を言っているんだって顔をしているけど、(中略)誰かの目に入るものの時は声の高さも上げて、テンションも上げて!増井さんもこうやってMIXIを背負うことになったんだから、やっぱり見せる明るさも必要だなと」
増井「(中略)。そうね、だから演じることは悪くないんだね、そういう意味では」
黒沢「悪くないですよ」
増井「要するに理想の自分になるために演じればいいんだね」
黒沢「そうです」














