Spotifyは7月14日、一部市場のプレミアムユーザーを対象に、アプリと対話しながら、聴きたい音楽などを選択できる機能をベータ版で提供開始すると発表した。

当初は、米国、アイルランド、スウェーデンのモバイル端末の英語版で、18歳以上のユーザーを対象に提供。基盤となるAI技術は、自社と複数のプロバイダーが提供するモデルを組み合わせたものという。

ユーザーはモバイル端末のアプリ内「ホーム」画面や「再生中」画面からSpotifyと会話できるようになる。アプリに文字を入力するか、音声で話しかけることで、次に再生する曲を選ぶ手助けとなるやり取りが可能。リスニング履歴について会話したり、お気に入りの音楽やポッドキャスト、オーディオブックをより深く掘り下げたりするのにも役立つようになる見通し。

例えば「今まで聴いたことのないアーティストを再生して」と依頼してから、特定のアーティスト名を指定して追加するよう頼んだり、最近の曲だけに絞り込んだりといった追加の指示を出すことも可能。また、再生している曲に基づいたおすすめを受け取ったり、Spotifyに曲を保存したり、キューに追加したり、アーティストをフォローしたりすることもできる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「

「今まで聴いたことのないアーティストをかけて」——スマホのSpotifyにそう話しかけると、音楽が流れ出す。同社が、アプリと会話しながら聴く曲を選べる新機能を始めた。「もっと最近の曲だけ」「あのアーティストも足して」と、注文を重ねて絞り込める。
 
これまで音楽アプリは、勝手におすすめを流す「おまかせ」が主流だった。それが、こちらの要望を聞いて応える「相談相手」へと変わりつつある。
 
背景には、ChatGPTのような対話型AIの普及がある。話しかければ応えてくれるやり取りに世界が慣れ、「一方的に与えられる」より「対話して選ぶ」ことが自然になったのだ。
 
同じ流れは他のアプリにも広がる。Instagramも、利用者が興味を自分で伝えられる機能を進め、対話型のサービスを目指している。全自動のおすすめとは別の、「自分で注文する」という選び方が、主要アプリで一斉に育ち始めていることが読み取れる。」