YouTubeは10月29日、スパムポリシー違反としてチャンネルに警告を出した後、一部のクリエイターに対して一定の猶予期間を設ける実験を行っていると発表した。
スパムとして警告を受けたクリエイターは従来、即座にチャンネルを停止され、チャンネルの動画、登録者、コメント、収益も全て失っていた。クリエイターはスパム認定に異議を申し立てられるが、結果が出るまでチャンネルは非公開のままとなる。
試験中の新しいプロセスでは、チャンネルがフラグ付けされると、チャンネル所有者に30日間ロック期間に入る旨が通知される。ロック期間中、一般ユーザーには表示されなくなり、新しい動画のアップロードやコメントの投稿など、一部の操作が利用できなくなる。
この期間内に「YouTubeがスパムポリシーに違反していると判断した動画を修正または削除」「異議申し立て」のいずれかを行うことで、審査を経てチャンネル再開の機会が与えられる。「チャンネルから全て動画を削除」した場合、チャンネルのロックは即座に解除され、再び公開状態になる。
YouTubeはこの変更を実施する理由については明らかにしていないが、AI粗悪コンテンツを抑制しようとした結果、誤ってAI生成コンテンツと判定され、収益化を停止されたクリエイターが多数出ていることが影響しているとみられる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「「疑わしきは即処刑」から「疑わしきは、まず話を聞く」へ。司法でいう手続き保障の発想が、ようやくプラットフォームの運営にも持ち込まれつつある。YouTubeが試験する30日ロック制は、スパム判定されたチャンネルを即削除するのではなく、まず非公開にして本人へ知らせ、直すか、消すか、異議を申し立てるかを選んでもらう仕組みだ。背景には、AI時代ならではの皮肉がある。YouTubeはAIで粗製乱造されたスパム動画、いわゆるAIスロップの掃討を強めてきたが、その判定を担うのもまたAIだ。機械が機械を取り締まるいたちごっこの中で、手間ひまかけた作品をAI生成と誤認され、収益化を止められる真っ当なクリエイターが続出してしまった。今回の仕組みは、そうした誤爆への安全弁といえる。AIによる自動検出は、規模を考えればもう避けられない。だからこそ、最後のところに人間の審査と救済の窓口をどう残すか。どの配信サービスにも共通する課題への、一つの回答例として注目したい。」














