米金融大手ゴールドマン・サックスは10月28日、世界のスポーツ市場規模が2030年までに6,020億ドル(約95兆3,000億円)に達し、2025年比で44%拡大するとの見通しを発表した。
この爆発的な成長に寄与している要因として、メディア放映権契約の継続的な高騰、チームへの機関投資家の資本参入、エンターテインメントやライブイベント、知的財産(IP)を巡るあらゆる付随的なビジネスチャンスなどを挙げている。
世界のスポーツメディア放映権の市場規模は、2020年から2025年までに41%伸び、今年は670億ドルに達する見込み。このうち20%をストリーミングプラットフォームが占めており、同行は「広告主がリアルタイムで消費者にリーチする方法を模索していることが原動力の一つとなっている」と分析した。
また「メディア環境の断片化が進む中、スポーツチームのオーナーたちは、ストーリーテリングの力を活用して、注意力がますます短くなっているファン層を惹きつけ、維持しようとしている」と指摘。アスリートを中心としたブランドの台頭(アスリート主導のスタジオや消費者向けブランドなど)、ショートフォームコンテンツの展開、試合のVRチケット導入といったトレンドを紹介した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「面白いのは、ゴールドマン・サックスが成長の原動力に「広告主がリアルタイムで消費者にリーチする方法を模索している」ことを挙げた点だ。録画やオンデマンドの視聴では広告は飛ばされるが、スポーツの生中継だけは、視聴者がCMや企業ロゴを「観戦の一部」として受け入れる。象徴的なのがアップルで、広告なしを貫いてきたApple TVが唯一広告を載せるのがF1などのスポーツ中継であり、ブランド調査でも高い効果が出たと公表している。つまりスポーツは、広告が嫌われる時代に広告が歓迎される最後の聖域なのだ。放映権市場が今年670億ドル、2割をストリーミングが占めるという数字の裏には、この広告価値がある。市場全体も2030年に6,020億ドル(約95兆3,000億円)へ44%成長する見通し。日本でも配信各社のスポーツ投資は進むが、広告ビジネスとの一体設計という視点で見ると、この波の本質がつかみやすいと思う。」














