Spotifyは、リスナーが楽曲のリミックスやカバーを自作できるAI搭載サービスを2027年第1四半期(1〜3月)に開始することを目指しており、加入者から月額4〜5ドル(約634〜792円)の追加料金を徴収することを検討している。情報筋の話を元に、フィナンシャル・タイムズ(FT)が10月30日伝えた。
来年2月のグラミー賞授賞式前後での発表も検討されている。Spotifyは新ツールを巡り、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)およびワーナー・ミュージック・グループ(WMG)とライセンス契約を交渉中。既に、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)やインディペンデントのデジタル音楽ライセンスパートナーであるマーリン(Merlin)、世界有数の独立系音楽出版社であるコバルト・ミュージック・グループ、TuneCoreを傘下に持つ音楽ディストリビューター最大手のBelieveとは提携済みで、Spotify幹部は以前、同サービス開始に「全カタログ」は必要ないと述べていた。
アーティスト・ソングライターの新ツールへの参加はオプトイン制で、新たな収益源となる上、自身の作品を新たな聴衆に紹介する手段ともなり得る。SpotifyとUMGは、個々のアーティストと面談を行い、楽曲提供を説得してきたとされる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「リミックスやカバーは、YouTubeやTikTokで最も愛されてきた遊びでありながら、権利的には常にグレーの領域だった。Spotifyが準備するのは、その遊びを許諾と対価の枠内に移す「公式化」である。アーティストの参加はオプトイン制で、二次創作が本人の新たな収益源になる設計。リスナーは月4〜5ドル(約634〜792円)の追加料金を払う。つまりAIは無料の侵害ツールから、単価を上げる有料機能へ反転する。これはUMGグレンジ会長の唱える、熱心なファンから多く頂く「ストリーミング2.0」の初の大型商品でもあり、UMG・Merlin・コバルト・Believeが既に提携し、ソニー・ワーナーとも交渉中という布陣がその本気度を物語る。無断学習のAIを訴えながら、許諾済みのAIで稼ぐ。業界が描いてきた二正面作戦が、いよいよ音楽ファンの画面に届く段階に来た。」














