アカデミー賞に2度ノミネートされた脚本家兼監督であるライアン・ジョンソン氏が発表したiPhone用写真アプリ「Chromagraph Camera」が、ソーシャルメディアで注目を集めたことを受け、App Storeの有料アプリランキング(米国・日本)で1位に躍り出た。

ジョンソン氏は10月28日、X(旧Twitter)で「Chromagraph Camera」のリリースを発表。同アプリは、ジョンソン氏と30年近く協働してきた撮影監督のスティーブ・イェドリン氏と共同開発したもので、『ブリック』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ナイブズ・アウト』シリーズなどの映画で使用しているのと同じ画像処理技術を採用しているという。

RAW形式で撮影し、イェドリン氏の独自の処理技術を用い、色、露出、粒状感、ハレーション(明るい部分のぼやけ)の調整ツールを使って、アプリ内で画像の仕上がりを微調整することが可能。ジョンソン氏は「これまで数多くの優れたサードパーティ製ツールを試してきたが、これは洗練されたオールインワンツールだ。本当に美しい写真が撮れる」とコメントしている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「映画監督の新作発表かと思えば、アプリだった。『ナイブズ・アウト』のライアン・ジョンソン監督が30年来の相棒、撮影監督スティーブ・イェドリン氏と開発したiPhoneカメラアプリだ。人気の中心にあるのは、撮った写真がそのまま映画の一場面のように写ること。街灯やネオンの光がふわりとにじむハレーション、フィルムのような粒状感と色。『最後のジェダイ』などの実作と同じ画像処理が、何の知識もなくシャッターを押すだけでかかる。日常の帰り道が映画になる、といった趣の作例がSNSに広がり、監督の告知投稿は1日で600万回表示された。この反響が米日の有料ランキング1位につながったとみられる。個人的には、月額課金だらけのカメラアプリ市場で12.99ドル(約2,000円)の買い切りという潔い価格設計も、支持の一因ではないかと思う。作品ではなく、作品を生む技術を売る。ファンビジネスの新しい形として面白い。」