リップシンクアプリ「Musical.ly」を前身とするTikTokだが、現在では音楽レーベルとの関係を後回しにし、音楽業界向けの業務に従事する人員を削減する一方で、同社とアーティストをより直接的に結びつけるプロジェクトを重視している。業界関係者や同社の戦略に詳しい関係者の話を元に、ブルームバーグが5月28日伝えた。
昨年末、TikTokの音楽部門は、Musical.ly時代以来で最大規模となる組織再編を実施。業界向けの人員を大幅に削減した。一方でTikTokは、独自の音楽配信部門「SoundOn」を開発するとともに、広告用音楽のライセンスを提供する独自のマーケットプレイス(商用音楽ライブラリ)の構築を進めている。
同社の音楽に対する姿勢の変化の一因には、同社が米国事業の一部を分離したことがある。TikTokの音楽事業は依然としてバイトダンス(北京字節跳動科技)が所有・運営しており、同社はかねて音楽事業をコストセンター(直接収益には貢献しない部門)として扱ってきたが、中国の経営陣がデータをより重視するようになったため、可能な限りアーティストとより直接的に連携し、音楽からより多くの収益を上げるよう努めている。
TikTokの戦略転換は音楽業界を不安定な状況に追い込み、アーティストがファンや潜在的な新規リスナーにリーチする方法を揺るがす恐れがあるほか、小規模なインディーズミュージシャンよりもトップアーティストを優遇する結果となる可能性がある。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ByteDanceは長年、TikTokの音楽部門を「コストセンター(直接収益には貢献しない部門)」として扱ってきた。それが、いま変わりつつある。ブルームバーグが5月28日報じた。米国事業の一部分離後、中国経営陣がよりデータを重視する姿勢に転じ、可能な限りアーティストと直接連携し、音楽から自社で収益を上げる方向に動いている。具体的には、独自の音楽配信部門「SoundOn」、広告用音楽の商用ライブラリ構築。一方で、業界向け人員は昨年末、Musical.ly時代以来で最大の組織再編で削減された。レーベルとの関係は後回しになりつつある。「無料の宣伝媒体」から「自社収益化の柱」へ──TikTokにとって音楽の位置づけが、根本から書き換えられようとしている。」














