「AI時代において、人間のアイデンティティを保護し、収益化すること」を目的とした俳優向けデジタルツインプラットフォーム「Twinnin」は5月7日、300万ドル(約4億7,000万円)の資金調達ラウンド(シード)を開始すると発表した。資金調達後の評価額は2,500万ドルとなる見通し。

同社によると、既に300万ドルの出資約束を取りつけており、デジタルツインの登録件数は現時点で2,000件に上る。

Twinninは、グーグルとエヌビディア、SFCキャピタルが出資する英新興企業AI KATが運営。4月にサービスを正式に開始したばかりだ。俳優の顔をデジタルで複製し、同社が「不変の来歴技術」と呼ぶ技術により保護された「アイデンティティ・レコード」を作成。その肖像権をテレビ番組、映画、広告での使用を目的に、スタジオやブランドに販売する。

俳優は年間14.99ドルで登録し、アプリ上に自分のデジタル複製を掲載して、オファーを受け取ることができる。

英国の映画・テレビ業界では、Twinninのサービス開始前から、その是非を巡る議論が交わされてきた。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「注目したいのは、Twinninの動きがフランスのIPFC(Intellectual Property for Creators)立ち上げと同じ週に重なった点だ。

Twinninが俳優のデジタルツインを「不変の来歴技術」で保護し、スタジオやブランドへの合法ライセンスとして販売するのに対し、IPFCはクリエイター・著名人のアイデンティティを集中管理して権利侵害監視を行う。

両者は「攻め(ライセンス収益化)」と「守り(侵害監視)」のアプローチ違いだが、どちらも「作品ではなくアイデンティティを管理する」という同じ哲学に立つ。

Twinninは300万ドル(約4.7億円)のシード調達と評価額2,500万ドル、AI KAT(Google・NVIDIA・SFCキャピタルが出資する英新興企業)が運営する。AI時代の権利インフラが、フランス・英国・米国(テイラー・スウィフトらの商標登録)など複数の方向から同時に立ち上がっている段階だ。」