Apple Music責任者のオリバー・シュッサー氏は、音楽業界誌ビルボードとのインタビューで、同プラットフォームにアップロードされるコンテンツの3分の1が「100%AI」によるものだと明かした。一方で、AI音楽の消費量はわずか0.5%に過ぎないという。

Apple Musicは、AIコンテンツの氾濫への対策として「これまで公には話したことはないが、ユーザーが提供してくれる音楽が具体的にどのようなものか、どのAIモデルが使用されているかなどを正確に把握できる技術を社内で開発した」と発言。これについて、テクノロジーニュースサイト「TechRadar」は、「透明性タグ」のことを指しているとみている。

Apple Musicは3月、業界パートナーに対し、AI生成およびAI支援による音楽を識別するための新しいメタデータシステム「透明性タグ」の導入計画を通達。レーベルやディストリビューターは、Apple Musicに楽曲を提出する際、その制作にAIが使用されたかどうかを開示できるようになる。これは任意の措置ではあるが、シュッサー氏は「コンテンツプロバイダーやレーベルには、責任を持って対応してもらうことが本当に必要だ」と話した。

シュッサー氏は「われわれは不正行為の削減と根絶に、他社のどこよりもはるかに多くの投資を行っている」と主張。4年前に不正行為に対するペナルティを導入した後、不正アップロードが6割減少したと語った。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Apple Music責任者のオリバー・シュッサー氏がビルボード誌のインタビューで、同プラットフォームへのアップロードの3分の1が「100%AI」生成と明かした。注目すべきは、消費量(再生量)はわずか0.5%にとどまるという数字だ。新規投稿の3分の1がAI生成という”流入量”と、実際の”消費量”の間には桁違いのギャップがある。

Deezerが直近の調査で新規アップロードの44%が100%AI生成、そのうち再生は1〜3%(85%が不正)と発表した構造と一致する。AI音楽は配信プラットフォームに大量流入しているが、リスナーの実消費とは結びついておらず、その多くがストリーミング詐欺の入り口となっている。

Apple Musicは4年前から導入した不正アップロードへのペナルティ制度で不正を60%削減してきたとし、AI時代の配信プラットフォームの主戦場が「コンテンツ品質」と「不正検出技術」の二軸に集約されつつあることが見えてくる。」