シリコンバレー最高峰のスタートアップアクセラレーター(育成機関)と称されるYコンビネーター(YC)のCEOを務めるギャリー・タン氏が3月14日、米テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 2026のセッションに登壇。「AIエージェントと仕事ができることに興奮しすぎて『サイバーサイコシス(サイバー精神病)』にかかっており、ほとんど眠れていない」と冗談を飛ばした。TechCrunchが伝えた。
YCはAirbnbやDropbox、Stripeといった世界的な企業を輩出しており、過去には現在OpenAIのCEOを務めるサム・アルトマン氏が代表を務めていたことでも知られる。タン氏は、自身が創業したブログスタートアップ「Posterous」(2012年にTwitterに売却)でYCの支援を受けたひとりでもある。同氏はセッション登壇に加え、SXSW Pitch 2026の授賞式の共同司会者も務めた。
タン氏は「一度試してみればわかるはずだ。まるで、1,000万ドルのベンチャーキャピタル資金と10人のメンバーを投入し、2年間も取り組んだスタートアップを再び立ち上げることができたような気分だ」とコメント。当時は睡眠抑制剤を服用していたが、今はAIエージェントとの仕事により精神が極限まで高ぶっており、薬なしでも当然のように不眠に陥っていると話した。
広報担当者によると、タン氏の現在のコーディングプロジェクトには、Posterousの刷新に加え、自身のスタートアップであるPosthaven、そして政治活動サイト「GarrysList.org」が含まれているという。
同氏は自身のAIエージェントに非常に興奮しており、同セッション登壇の2日前に、GitHub上でオープンソースライセンスの下、自身のClaude Code(CC、アンソロピックのAIコーディング支援ツール)の設定「gstack」を惜しみなく公開していた。これには、彼が開発した6つの「独自の」CCスキルが含まれていた。CCスキルとは、再利用可能なプロンプトでAIに対して特定の役割やタスクにおいてどう振る舞うべきかを指示するもの。gstackにはその後も、いくつかのスキルが追加されている。
gstackへの熱狂は瞬く間に広がり、彼のX(旧Twitter)での投稿は拡散され、シリコンバレー発の世界最大級のプロダクト評価サイト「Product Hunt」のトレンド入りも果たした。GitHubでは2万件近いスターを獲得し、2,200件のフォーク(ファイルをコピーして自分用にカスタマイズしたユーザー数)を記録。一方で、批判的なコメントも寄せられている。
(文:坂本 泉)














