OpenAIは5月5日、ChatGPTの新たなデフォルトモデル「GPT-5.5 Instant」を発表した。従来の「GPT-5.3 Instant」に代わるもので、法律、医療、金融といったデリケートな分野における「ハルシネーション(事実に基づかない情報を生成する現象)」を低減しつつ、前モデルと同様の低遅延を維持しているという。

新デフォルトモデルでは、検索ツールを使用して過去の会話、ファイル、Gmailを参照し、よりパーソナライズされた回答を提供可能。また、今回のアップデートにより、ChatGPTの全モデルで情報源が表示されるようになり、回答がどこから生成されたのかを確認できるようになった。ユーザーは、古くなった情報源を削除したり、回答が間違っていた場合は修正したりできる。なお、チャットの内容を誰かと共有しても、その相手には情報源が表示されないとしている。

GPT-5.5 Instantは、ChatGPT全ユーザーに順次提供を開始。有料ユーザーはオプションでGPT-5.3 Instantを3カ月間限定で引き続き利用できる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「OpenAIの新デフォルトモデル「GPT-5.5 Instant」の最大改善点は、法律・医療・金融といったデリケート分野でのハルシネーション(事実に基づかない情報を生成する現象)を52.5%削減した「高リスク領域への適応」だ。GPT-5.3 Instant比で出力の冗長性を約30%排除し、論理密度を上げつつ応答開始を高速化、低遅延と正確性を両立させている。

この方向性は、2026年初頭にエンジニア層を中心にClaude Code・Claude 4.6 Sonnet(Anthropic)の正確性が圧倒的支持を集めたことへの直接的カウンターと読める。業務利用の判断軸が「速さ」から「正確性」「信頼性」へとシフトするなか、OpenAIはデフォルトモデル段階でその基準に応えた格好だ。

並行して新機能「Memory Sources(メモリーソース)」を導入し、回答に影響を与えた過去の会話や情報をユーザー自身が個別に削除・修正できる。「速さ」「正確性」「透明性」を同時に押さえ、Claudeブームへの対抗軸が明確化された印象だ。」