ソニーグループ傘下のアニメ専門ストリーミングサービス「Crunchyroll(クランチロール)」は10月7日、初の招待制業界サミット「クランチロール・アニメ・フューチャー・フォーラム」をニューヨークで開催。ジェームズ・ガン監督ら40人が登壇し、アニメのエコシステムを巡り議論を交わした。

この日、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)のラヴィ・アフジャ会長兼CEOは、日本のクリエイターと連携してアニメや実写化作品を制作する新部門「Crunchyroll Storyworks」の立ち上げを発表した。

新部門は、日本のクリエイターと緊密に連携し、原作のクリエイティブなビジョンを中心に据えた上で、世界中の物語をアニメに、また日本のアニメを実写作品に映像化していく。Crunchyrollのコンテンツグループ内に設置され、同社とアニプレックスの合弁会社であるHAYATE向けに、高品質で制作決定待ちのプロジェクトのパイプラインを拡大していく。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は来年、PlayStation 5(PS5)のホーム画面内にCrunchyrollの新しいアニメハブを開設すると発表。同社のアニメと、アニメをモチーフにしたゲームとの連携を強化する計画だ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「今回の一連の発表を並べると、ソニーが組み立てているアニメの循環構造が見えてくる。入口はCrunchyroll。世界のアニメファンを集める配信の土台だ。そこに新部門Storyworksが加わり、世界の物語をアニメに、日本のアニメを実写にする制作の上流を担う。企画はアニプレックスとの合弁HAYATEに流れ込み、作品として結実する。そして来年にはPS5のホーム画面にアニメハブが開設され、アニメとゲームが同じ画面でつながる。配信で認知を作り、制作で物語を育て、ゲームと実写で収穫する。ディズニーが映画とパークで築いたフライホイールの、アニメ版と呼べる設計である。『鬼滅の刃』の劇場・配信の二刀流や『ダブゴンボール』の世界同時展開で見せてきた手綱さばきの先に、今度は仕組みそのものを常設する段階が来た。アニメの経済圏の設計図を、最も具体的に描いているのはやはりソニーかもしれない。」