YouTubeは、少数のブランドチャンネルを対象に、クリエイターのデータをYouTube Studioに直接取り込む実験を行ったと明らかにした。同社広報担当者の話を元に、米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」が10月8日伝えた。

クリエイター成長支援プラットフォーム「VidIQ」が10月6日にX(旧Twitter)に投稿していた内容を認めた格好だ。VidIQは投稿の中で「クリエイター発見」と説明されたYouTube Studioのタブを示すスクリーンショットと、製品レビューアーのSambuchaを含むクリエイターチャンネルの分析データが表示されている画像を掲載していた。

VidIQによると、期間限定プレビュー機能の「チャンネル検索」により、特定のチャンネルを検索して、そのバックエンドデータ(ユニーク視聴者数、総再生時間、視聴者の年齢・性別・国)を確認できるという。

これについて、YouTubeの広報担当者は、ブランドと共有されたデータは、クリエイターパートナーハブを通じて既に公開されていた情報に限定されており、ブランドに分析データを公開したクリエイターはデータ共有契約に同意していたと説明。クリエイターが自身の統計データを同業者のデータと比較できるツールへと発展する可能性を否定した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「YouTubeが試したのは、ブランド企業がYouTube Studio上でチャンネルを検索し、ユニーク視聴者数の推計、総再生時間、視聴者の年齢・性別・国籍構成を確認できる機能だ。実は同様の仕組みは今年6月から、Google広告の管理画面を通じた「クリエイターパートナーシップ」で提供が始まっており、今回はそれをクリエイター側と同じ管理画面に組み込む実験にあたる。初の試みというより、公式データを使った案件探しを一段と身近にする動きと読むべきだろう。背景には、登録者数だけでは実際の広告到達力を測れないという、タイアップ市場の長年の課題がある。YouTube自身が集計した数字で評価できれば、濃い視聴者を持つ中堅チャンネルが正当に選ばれる余地も広がる。実際、YouTubeの3月公表のデータでは、分析情報の共有に同意したクリエイターは広告主の検索結果に平均60%多く表示されたという。データを開くことが、商談の入口を広げ始めている。」