相撲で魔裟斗に勝った男が、トークでは「難しい」と漏らした。「0か100」と言い切るカリスマが、カメラが止まるたびに「難しいな」とつぶやいた。10月6日深夜にテレビ東京で放送される『心もつなごう【パンダの結論】〜白黒つけたい“アレ”に決着バラエティ〜』は、春とヒコーキが地上波で初めてMCを務める討論バラエティ。ゲストはニシダ(ラランド)、Den(リンダカラー∞)、佐々木美玲、伊織もえ、都。意見が変われば席を移っていい、勝ち負けを決めない“バトらない討論”を終えた直後の4人に、スタジオで話を聞いた。
「私、どっちでしたっけ?」——意見を見失う討論
――ぶっちゃけ、今回の討論番組はどうでしたか。皆さんにとって初めてのパターンの番組だったのではと思います。
土岡:討論って、真面目になっちゃわないかなと思っていたんです。でも実際やってみたら、頼りになる人ばっかりで、ぐちゃぐちゃな人もいっぱいいて(笑)、盛り上がりましたね。
Den:やっぱり専門家じゃないから、全員がトンチンカンなことを言っている時間が面白かったですね。
ニシダ:ルールにのっとろうとしていない感じが、逆に良かったのかもしれない。みんな、最初は自分の意見を話しているのかなと思ったら、いつの間にか全然反対側の意見で。「あれ、どうしてこれ?」みたいなことが何回もありましたもんね。
土岡:見失ってた。
ニシダ:本当の討論番組では見たことないですよ。「私、どっちでしたっけ?」なんて、ありえない。
――テーマが何だったのか、わからなくなるくらい入れ替わっていましたよね。
土岡:テーマごとに、ぐちゃぐちゃになったりして。
Den:それが逆に良かったんですけどね。
白でも黒でもなく、「紫」や「虹色」の正解
――SNSでは白黒つけたがる人が多い時代ですが、ぐんぴぃさんの出す結論は、いい意味で白黒じゃない形でした。
ぐんぴぃ:つかないんですよね、白黒。紫みたいなのが出てきたり。
ニシダ:虹色もいたし(笑)。
――番組を通じて、視聴者にどんなものを残したいですか。討論番組だけど討論じゃなかった、という話もありましたが。
ぐんぴぃ:論破とかじゃない楽しさ、ですよね。ひと昔前は論破し合う討論番組が多かったですけど、今日は本当に、自分がいま何を喋っているのか、ギリギリまでわからないみたいな(笑)。
土岡:自分でサプライズしてる。
ぐんぴぃ:議論が達者な人だけがずっと討論番組をやってきたのが、それが降りてきて、議論が得意じゃない人もやるようになった。討論が市民のものになった。市民権を得たのが今回かな、と思いました。
土岡:確かに、誰でもやってよくなった。
ニシダ:全員が楽しそうに議論できていたのが良かったですね。
ニシダ「フィジカル芸人は、トークの方が難しい」

――ニシダさんは今、相撲の話題で盛り上がっています。今回はフィジカルではない、トークだけのバトルでしたが、どうでしたか。
ニシダ:どれだけ議論が割れようと、「戦ったら勝てるからな」って思ってました。どんだけ口答えされても、最後は一発バーン! 向こうは反論できないんで。
土岡:そんな人と討論できない。やめてください(笑)。
――難易度としてはどうでした? 相撲とトークだと。
ニシダ:いや、やっぱりフィジカル芸人はトークの方が難しいですね。
ぐんぴぃ:それで行くんだ。「フィジカル芸人」として行くんだな(笑)。
――小説の書籍も出されていますけどね(笑)。
ニシダ:ただ、トークの中でも非常に楽しげなトーク番組だったので、そこは良かったです。正直、誰とも戦っていないというか。言い負かしたいとかもないし。本当に「すり合わせ」みたいな感じだったので、そこが楽しかったですね。話し合っていて、議論の結論が出ているわけじゃないから。
土岡:途中、どうしても(罰ゲームの)お茶を飲ませたい、みたいな気持ちは生まれてくるんですけどね(笑)。
Den「カリスマは揺らがない。0か100なんで」

――番組の中では「揺らぐ」がキーワードでした。Denさんにお聞きしたいのですが、カリスマは揺らぐものなんですか。先ほどの番組側のインタビューでは「揺らいでしまったんじゃないか」という話もありましたが。
Den:冗談ですよ、それは。基本は揺らがないものですから。僕はどっちかというと、基本的にすべての物事に白黒がついてますんで。どっちか、もう決まってる。0か100なんで。
――悩み事に白黒をつける、という芸で出てこられていますもんね。
Den:ただ、確かに今日は結構ゆるい感じだったので、僕もそれこそ、揺さぶられた部分はあったかなと。
ニシダ:カメラが止まるたびに「難しいな」って言ってたんですよ(笑)。
Den:いや、難しかったですよ。
ニシダ:溺れないでくれ、カリスマ(笑)。
「春ヒコのおかげで、僕らの世代に番組が1個できた」
Den:でも、こういうゆるい現場を、しかも同世代でできたのは、うれしかったですね。僕らの世代って、芸歴的にはどこへ行ってもまだまだ下なんで。他局に行くと特に。その世代に番組が1個、春ヒコのおかげでできたというか。すごく楽しかったし、未来が見えました。
――いい話ですね。
Den:僕と春ヒコは同期ですし、芸歴もほぼ一緒でしょ。これからもできそうだな、僕らの世代でもできるぞ、というのはありましたね。
土岡:討論中も、ずっとすごい説得力がありましたよ。
Den:カリスマですから。
ニシダ:本当にすごいと思いますよ、マジで。カリスマっていうけど、器用すぎるんですよ(笑)。
ぐんぴぃのMC術、手本は『TVタックル』のたけしさん

――今回は「進行(土岡さん)とMC(ぐんぴぃさん)」という立て付けで、正解を出す権利はぐんぴぃさんひとりにありました。自分に都合のいい正解を出したくなりませんでしたか。何でもやれちゃうわけじゃないですか。
土岡:僕は真ん中(進行)にいて、自分の意見はあるんですけど、結局ぐんぴぃの意見側にね。
ぐんぴぃ:裏では、ディレクターさんに「くれぐれもあんまり喋らないように」って結構言われてたんですよ(笑)。「ゲストの方が喋るんだから、だいぶ聞くように」って。
土岡:そういう裏側があったんだ。
ぐんぴぃ:そうですよ。『TVタックル』のたけしさんが、専門的な話が出たあとに、最後に(たけしの口調で)「やっぱ嫌だよなあ」って一言だけ言う(笑)。ああ、それなんだな、と思ってやってました。
「キーマンは佐々木美玲さん」
――最後に、言い残したことがあれば。収録では、歯切れの悪そうなところで「カンカンカン」と鳴らされる場面もありましたよね。
土岡:1つめのテーマで、佐々木さんが変なフレーズを言ったところですね(笑)。
Den:佐々木さんは、喋れば喋るほど興味が湧いてくる人でした。キーマンは佐々木さんかもしれない。
ニシダ:話のリズムが、すごい「南米のドリブル」でしたね。あんな逸材がいたんだ、って。
土岡:スターになる気がする。
Den:注目は、佐々木さんですね。
意見が割れても、勝とうとしない。ニシダの言葉を借りれば、討論は「すり合わせ」でいい。白か黒かの二択に、「紫」や「虹色」の答えがあってもいい——。収録直後の4人が口を揃えたのは、論破の快感ではなく、自分の意見を見失うほど話し込んだ時間の楽しさだった。バトらない討論が最後にどんな“ちょうどいい正解”へたどり着くのかは、10月6日深夜の放送で確かめてほしい。
番組情報
『心もつなごう【パンダの結論】〜白黒つけたい“アレ”に決着バラエティ〜』
放送:2026年10月6日(火)26:50〜27:20(テレビ東京)
見逃し配信▶ TVerでのご視聴はこちら
MC:春とヒコーキ(ぐんぴぃ・土岡哲朗)
ゲスト:ラランドニシダ、リンダカラー∞Den、伊織もえ、佐々木美玲、都















