Spotifyは10月8日、数年にわたり全米トップのポッドキャスターであるジョー・ローガンとの複数年契約を更新したと発表した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、情報筋の話として、契約額が約2億5,000万ドル(約396億円)と推定している。

両者は2020年に初めて独占配信契約を結んだが、Spotifyのポッドキャスト戦略転換により、2024年に独占契約が終了し、より広く配信されるようになった。

ローガンの番組『The Joe Rogan Experience』は、2009年に放送を開始。俳優、ミュージシャン、コメディアン、アスリート、政治家など、幅広い分野の著名人を招いて数時間にわたるインタビューを行うことで知られる。

Spotifyでポッドキャストとして最も多くのフォロワー(1,800万人)を抱え、米市場調査会社エジソン・リサーチのデータによると、2019年以来、米国で最も多く聴かれているポッドキャスト。Spotify、Apple Podcasts、YouTubeの2025年末ランキングでは首位を獲得した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「前提を補うと、ジョー・ローガンは元コメディアン・格闘技解説者で、著名人との長時間対談を武器に全米で最も聴かれるポッドキャスターとなった人物だ。Spotifyは2020年、この番組を「Spotifyでしか聴けない」独占にして話題をさらったが、2024年に方針転換し、YouTubeやApple Podcastsでも聴けるようにした。それでも今回、推定約2億5,000万ドル(約396億円)で契約を更新した。囲い込みをやめたのに大金を払う理由は、ビジネスの形が変わったからだ。独占で会員を集めるより、番組を広く配信して広告枠を売る方が儲かる。米国のポッドキャスト広告市場は年20億ドル超に育ち、全米首位の番組はその一等地である。音楽配信の会社だったSpotifyは、いまや「耳の時間」全体を扱う広告メディアへと変貌しつつある。その転換の象徴が、この一見不思議な高額契約と言える。」