プレイリスト・ピッチング向け調査ツール「PlaylistSupply」によると、Spotifyが昨年4月ごろから再生操作などの不正取り締まりを強化して以来、Spotifyで最もフォローされている4つの編集プレイリスト「RapCaviar」「Today’s Top Hits」「Top 50 Global」「Viva Latino」のフォロワー数が毎月減少している。

フォロワー数の減少率は小幅(RapCaviarで最大2.6%減)にとどまるが、長期にわたる成長傾向に歯止めがかかった。さらに深刻なのは、再生回数も大幅に減少している点で、レーベル関係者は今年1月にRapCaviar経由の再生数が30〜50%縮小したと報告していた。

PlaylistSupplyは「これら(著名な公式プレイリスト)は、偽アカウントが本物らしく見せるためにフォローするリストそのものであり、アカウント一掃の影響はまずこれらに表れる」と推測している。

サードパーティのプレイリストのフォロワー数の中央値は2023年1月と比較して70%伸びているのに対し、Spotify運営の編集・アルゴリズム・プレイリストでは19%増加(過去12カ月は横ばい)した。

PlaylistSupplyは今回、音楽データ分析ツール「Chartmetric」のデータなどを基に分析。なお、フォロワーの縮小には複数要因が重なっていると考えられる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「今回のフォロワー減少について、PlaylistSupplyは「著名な公式プレイリストは、偽アカウントが本物らしく見せるためにフォローするリストそのものであり、アカウント一掃の影響はまずこれらに表れる」と推測している。減った数字の一部は、そもそも人間ではなかった可能性があるわけだ。その掃除の先に、対照的な数字がある。2023年1月比で、独立系プレイリストのフォロワー中央値は70%増えた一方、Spotify運営は19%増にとどまり、直近1年はほぼ横ばい。さらに月間リスナー100万人未満のアーティストでは、Spotifyの「Discovered On」で確認される発見経路の80〜92%を独立系プレイリストが占める。かつてRapCaviar入りはヒットの象徴だったが、発見の入口はいま、Spotify公式の巨大プレイリストから独立系キュレーターやユーザーの無数のリストへ分散しつつある。プロモーションは「どの公式リストに入るか」だけでなく、「どこで最初に火がつくか」を設計する時代に入った。」