Spotifyは10月7日、オーディオブックの提供対象地域を年末にかけて、現在の22市場から180以上の市場へと拡大すると発表した。これまで主に米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏やドイツなどで利用可能だったが、日本をはじめとするアジア、中東、アフリカを含む広域で展開する。
この拡大に伴い、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ポーランド語などの新しいタイトルが追加され、合計で120以上の言語に対応することとなる。新規市場向けには、35万タイトル以上を揃える。
イタリアやスペイン、ブラジルなど一部市場では、プレミアム会員に月12時間のオーディオブック視聴枠が付与される。一方、アジアやアフリカ、アルゼンチンでは、追加オプション「Audiobooks+」が主な利用方法となり、個別タイトルの購入も可能だ。
Spotifyによると、Audiobooks+は開始から1年あまりで加入者が100万人を超え、年間経常収益(ARR)は1億ドルを上回った。また過去1年間で、オーディオブックの月間リスナー数は40%近く、再生時間は30%以上それぞれ伸びた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「日本で注目すべきは、Spotifyのオーディオブックが年内に上陸することだ。Audibleとaudiobook.jpが開拓した市場に、音楽配信大手が参入する。武器は入口の違いだ。従来の「聴く読書」は専用アプリを開く必要があったが、Spotifyなら通勤中に音楽を選ぶ人の目に本が飛び込む。米国の2025年市場は24.3億ドル(約3,845億円)。国内では2025年度、オーディオブックと直販デジタル雑誌の合計が約320億円との推計がある。集計対象は異なるが、国内のオーディオブック利用率は9.6%にとどまる。伸びしろは大きい。ただしアジアでは追加課金のAudiobooks+が主な方式となる見通しで、日本の料金は未発表。発見の手軽さが聴取の手軽さに直結するとは限らない。それでもSpotifyのオーディオブック月間利用者は直近1年で約4割増。勝負は、初めて本を聴く人をどれだけ増やせるかになりそうだ。」














