国際レコード産業連盟(IFPI)は9月9日、欧州連合(EU)の録音原盤市場が2025年に前年比5.1%増の60億ユーロ(約1兆741億円)に達したと発表した。世界の録音原盤売り上げの21.3%を占め、上位20市場のうち9市場がEU加盟国となっている。
増額幅は2億9,300万ユーロと、中国(2億8,900万ユーロ)を上回った。伸びは、ストリーミングプラットフォームの加入者の大幅な増加と価格引き上げがけん引。有料ストリーミングは2億2,000万ユーロ急増したのに対し、広告付きストリーミングは4,800万ユーロ増、アナログレコードを含む物理メディアは5,800万ユーロ増にとどまった。
EUの音楽ソフト売上高の約66%をストリーミングが占めるものの、総人口に対するストリーミング契約者数の割合は27%と、英国(47%)や米国(54%)を依然として大きく下回っている。
2025年末の上位10曲のうち、EU加盟国における国内アーティストによるリリースの割合は平均53.5%と、その他の国・地域の平均(46.8%)を上回る。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「IFPIによれば、EUの録音原盤市場は2025年に60億ユーロ(約1兆741億円)へ達し、5.1%成長した。目を引くのは増額幅である。2億9,300万ユーロの積み増しは、成長市場の代名詞だった中国(2億8,900万ユーロ)を上回った。EUを一つの市場と見れば世界売上の21.3%を占め、米国に次ぐ規模になる。個別の国では、世界2位は依然として日本だが、27カ国の束は「面」としての存在感を増している。牽引したのは有料ストリーミングの加入増と値上げで、2億2,000万ユーロの急増。一方で普及率はEUの人口の27%と、英国の47%、米国の54%を大きく下回る。つまりこの成長は、まだ助走なのだ。成熟市場が単価で稼ぐ局面に入る中、加入者の頭数そのものが伸びる大市場は貴重である。世界の音楽産業の次の成長物語は、東欧や南欧の街角から書かれていくのかもしれない。」














