メルカリは9月15日、株式会社ポケモンが9月16日から順次発売する『ポケモンカードゲーム』(以下、ポケカ)の30周年記念商品「30th CELEBRATION」関連商品について、16日0時から出品を禁止すると発表した。

1996年に第1弾が発売されたポケカは、近年人気カードの価格高騰を背景に、イベントでのトラブルやフリマサイトでの転売が相次いでいると報じられてきた。なぜ今回、フリマアプリ側が出品そのものを止めたのか。

対象は未開封パックとカードセット、終了日は未定

禁止対象は、未開封の拡張パック「30th CELEBRATION」(希望小売価格360円、キラカード6枚入り)と、拡張パック2パックなどを同梱し10月16日に発売予定の「30th CELEBRATION カードセット」全9種だ。カードセットは開封・未開封を問わず禁止で、これらを含むセット販売も対象となる。その一方、開封済みのシングルカードは出品できる。なお、9月16日発売の「30th CELEBRATION FUTURISTIC BOX」(希望小売価格2万7500円)などは対象に含まれていない。

措置の対象は「メルカリ」と「メルカリShops」で、AIなどを活用した検知システムと専門チームの目視で出品を監視する。違反出品は削除し、不適切な出品を繰り返すアカウントには利用制限を含む厳格な対処を行うとしている。禁止期間は「安心・安全な取引環境が確保できないと判断される期間」とされ、解除日は示されていない。

「基本原則」だけでは止められない転売への対策

フリマアプリは、法令や利用規約・ガイドに反しない限り自由に出品できる場だ。メルカリは2021年、外部有識者とともに「マーケットプレイスの基本原則」を策定した。同社はこの原則の「安全であること」に基づく例として、コロナ禍のマスク・消毒液や政府備蓄米などの出品禁止を挙げている。一方、人気トレカの転売は法律で一律に禁じられているわけではなく、同社も基本原則では禁止できない商品があると認めている。

そこで同社は2025年10月、不正出品やトラブルの急増、極端な価格の乱高下などで安心・安全が著しく損なわれるおそれがある商品について、経営判断として個別に出品禁止などを行う方針を公表した。今回の措置は基本原則とこの方針に基づき、発売直後の取引増加によるトラブルや、取引相手への誹謗中傷の発生を懸念したと説明している。

また、今回の措置はメーカーとの連携も背景にある。メルカリとポケモン社は2023年6月に覚書を結び、発売情報の事前共有や注意喚起、両社で合意した商品の規約違反出品の削除などで連携してきた。ポケモン社自身も、ポケモンセンターオンラインでの30周年記念商品の抽選販売で、当選数の大半を本人認証済みの応募枠に割り当てている。

メルカリの判断と残る課題

メルカリは2026年5月にも、マクドナルドのハッピーセット「ちいかわ」の玩具付録を一時出品禁止としている。新方針策定前の2025年8月、ハッピーセット「ポケモン」への対応が規約違反出品の削除などにとどまったのと比べると、一段踏み込んだといえる。

ただし、今回の措置は転売の根絶策ではなく、発売直後の混乱期に大きな売り場を閉じる「時間稼ぎ」に近い。解除の時期と他サービスへの流入が、今後の焦点となるだろう。