ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)は、バンクーバーに本社を置くソニー・ピクチャーズ・イメージワークスに注力するため、VFX(視覚効果)およびバーチャルプロダクション会社であるピクソモンド(Pixomondo、PXO)の事業を段階的に閉鎖する計画だ。米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター」などが伝えた。
それによると、SPEはロサンゼルス拠点のPXO従業員に対し、未完了のプロジェクトや契約が終了次第、同社のVFX事業を閉鎖すると通告。VFX業務を社内のイメージワークスに集約する方針だ。PXOは、カリフォルニア州カルバーシティ、バンクーバー、トロント、モントリオール、ロンドン、フランクフルト、シュトゥットガルトにVFXスタジオを構えている。
PXOのLEDボリューム部門「PXO Clara」も閉鎖手続きを開始する予定で、一部の事業はソニーグループに統合される見通し。
この閉鎖計画は依然として検討段階にあり、法的・規制上の障壁に直面しているため、雇用削減については不透明だ。
2023年のハリウッドにおけるストライキやTV最盛期の終焉を受け、米国のエンターテインメント大手が新たなビジネスモデルを取り入れる中、カナダのアニメーションおよびVFXの税制優遇措置の活用も検討されている。
(文:坂本泉)
榎本編集長「ソニーがピクソモンドを閉鎖してVFX機能を社内スタジオに集約を検討——この動きは「外注から内製へ」というエンタメ産業全体の潮流を象徴している。動画生成AIの急速な実用化が、その流れを加速させた。
2026年に入り、生成AIは「プロンプトから一発出し」という段階を越え、MayaやHoudiniといった既存のVFXパイプラインにプラグインとして統合されるフェーズに入っている。背景生成やモブシーンといった中間的なVFX作業がAIで賄えるようになる中、外部VFX会社への発注を絞り、AIツールを取り込んだ内製スタジオに集約する判断は経済合理性がある。
カナダの税制優遇も後押しした。エンタメ産業でコンテンツを「作る機能」をどこまで自前で持つか——その判断が各社の競争力を左右する時代に入っている。ゲーム、アニメ、映像と領域をまたいで同じ問いが浮上しており、AIによる制作コストの構造変化は、エンタメ産業全体のビジネスモデルを静かに書き換えつつある。」














