X(旧Twitter)は8月8日、既存の「収益分配プログラム」を段階的に廃止し、代わりに「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」を導入すると発表した。

同社は、既存の制度が「インセンティブの整合性が失われる段階に達していた」と説明。クリエイターは、報酬の最大化ではなく、プラットフォームに真に新しいコンテンツを提供することに注力すべきだと述べている。

「収益分配プログラム」への新規参加者の受け入れを停止。既存の参加者は9月7日まで引き続き報酬を受け取れる。

9月8日から「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」への応募が可能となる。参加者はフォロワー数などの参加要件があるが、最大の変更点は「独創性」が重視される点にある。

オリジナルコンテンツには、独自の取材や分析、投稿者自身が作成した写真や動画、自らデザインしたミームやグラフィックなどが含まれる。一方、他のアカウントから単にコピーしたり、ダウンロードしたりして自分のアカウントに再掲載したもの、「実質的な加工なし」でコンテンツを再投稿したものなどは、オリジナルとはみなされない。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Xが、クリエイターへの報酬制度を作り替える。広告収益の分配を段階的に終え、9月から「独創性」を審査する新プログラムへ移行するという。この転換が興味深いのは、SNSの報酬設計がそのまま画面の中身を決める、という法則を裏づけている点だ。従来の仕組みは、閲覧や反応の量に応じて支払われた。すると何が起きたか。他人の動画の転載、扇情的な釣り投稿、返信欄への大量投稿といった「数字を稼ぐ技術」が栄え、Xも「インセンティブの整合性が失われた」と認めるに至った。日本で「インプレゾンビ」と呼ばれた現象も、その一形態である。新制度は、独自の取材や分析、自作の写真・動画・ミームを報酬の条件とし、コピーや無加工の再投稿を対象外とする。量から独創へ——お金の流れを変えて、投稿の質を変えようという実験だ。タイムラインの風景がどう変わるか、数カ月後の答え合わせが楽しみである。」