シンガポール調査会社メディア・パートナーズ・アジア(MPA)の最新レポートによると、マイクロドラマプラットフォーム「ReelShort」は2026年に売上高が前年比34%増の10億5,000万ドル(約1,671億円)となり、初の黒字を計上する見通しだ。

利益率改善の主な要因は、マーケティング費用の減少によるもの。MPAは「ヒット作が有料プロモーションなしでも視聴者を呼び込むことでマーケティングコストが低下し、課金を自社のウェブストアに移行させることでプラットフォーム手数料も減少し、さらに高利益率の広告収入も加わっている。ReelShortは、このビジネスモデルが規模を拡大しつつ収益を上げられることを実証している。次の段階を決定づけるのは、コンテンツの量ではなく、配信体制とユニットエコノミクス(顧客当たりの採算性)だ」と分析している。

マイクロドラマ市場全体を見ると、市場規模(中国以外)は2025年の27億ドルから、今年は36億ドル、2031年までに95億ドルへ拡大し、年平均成長率は21%となる見通し。米国市場だけでも37億ドルへ倍増し、中国を除くアジア太平洋地域は3倍の24億ドルに達すると予測されている。

マイクロドラマ市場は、ReelShortが推定29%のシェアで首位。これにDramaBox(21%)、DramaWave(13%)、NetShort(10%)、GoodShort(6%)が続く。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「スマホ縦型のマイクロドラマ最大手ReelShortが、今年売上10億5,000万ドル(約1,671億円)に達し、初の黒字を計上する見通しだ。調査会社MPAの予測である。思えばこのジャンル、長らく「色物」扱いだった。1話数分、クリフハンガーの連続、広告で釣る課金——既存の映像業界からは、質より量の徒花と見られてきた。だが数字は雄弁だ。売上は3年で約10倍、そしてついに利益が出る。MPAの表現を借りれば、マイクロドラマは「成長の物語から、利益の物語」になった。歴史は繰り返す。テレビは映画から、配信はテレビから、当初は格下と見られながら、独自の経済圏を築いて市民権を得てきた。縦型ドラマも同じ道を歩み始めたのだろう。通勤の数分を埋める新しい「連続もの」は、もはや実験ではなく事業である。日本の映像業界にとっても、参入の是非を判断する材料が揃ってきた。」