Netflixが人気作続編(シーズン2)の視聴回数の減少に直面していることを巡り、社内外で「一気見」モデルを見直せばユーザーエンゲージメントが向上するとの見方が広がっている。しかし、Netflixのテッド・サランドス共同CEOは7月16日、配信戦略を変更する予定はなく、引き続き1つの番組の全エピソードを一挙に配信していく方針を明らかにした。
サランドス氏は決算説明会で、「2期目のスランプ」に陥っているという見方に対し、「業界ではごく一般的なこと」であり、自社の場合は番組を大規模に打ち出すため、その傾向がさらに顕著になるものの「今年はむしろ状況が改善された」と強調した。
米オンラインメディア「メディアポスト」は、Netflixの2期目のスランプは、テレビ業界のベテランにとって驚くことではないと指摘。Netflixはこれまで、番組制作、放送スケジュール、マーケティングの全てを、ブランド構築と新規加入者の獲得・維持に専念させることで、驚異的な加入者基盤とブランドを築き上げてきたが、視聴者が実際にどのように番組を視聴しているかについてはほとんど注目してこなかった。
従来のテレビ局はデータに基づき、毎週新エピソードが配信されることのマーケティング効果を理解しており、この教訓はAppleやHBO MAXも十分に理解しているという。
広告収入がますます重要になる中、Netflixは従来のサブスクリプション戦略と同様に、視聴促進戦略を策定し、着実に実行していく必要がある。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Netflixの看板だった「全話一挙配信」が、いま社内外から見直しを迫られている。人気作の続編で視聴回数の伸び悩みが目立ち、「毎週配信に切り替えればもっと盛り上がるのでは」という声が広がっているのだ。だがサランドス共同CEOの答えは明快で、一挙配信は変えない、という。
この論争、どちらにも理がある。一気見は「観たいときに全部観られる」というNetflixの原点であり、加入の動機そのものだ。一方、毎週型には、放送のたびにSNSが沸き、話題が数カ月続く強みがある。
『スティール・ボール・ラン』のような注目作をNetflix自身が毎週更新で出す例もあり、実は使い分けは始まっている。広告収入が重みを増すほど、「長く観てもらう」価値は上がっていく。原点の一気見と、話題が続く毎週型。この綱引きの落としどころが、配信の次の常識を決めることになりそうだ。」














