Netflixが人気作続編(シーズン2)の視聴回数の減少に直面しているとブルームバーグが報じたことを受け、エンターテインメントとメディアのビジネスを専門とするニュースサイト「The Wrap」がその原因を分析。一方で、Netflixにはそもそも複数のシーズンが必要なのかという問いも投げかけた。

ストリーミング各社が依然として加入者数を重要視する中、続編シリーズは解約率の低下に効果的だが、新規会員の獲得には新作が鍵となる。Netflixのビジネスモデルは、特定のブランドアイデンティティを確立するよりも「誰にとっても何でも揃う」ストリーミングサービスを目指しており、視聴者の目の前に「新しくて魅力的なもの」をちらつかせ続けることに基づく。このため、たとえ映画批評サイトで高評価を獲得している作品でも方向性に合わなければ打ち切りとなる可能性もあり、視聴者に「Netflixの番組に情熱を注ぐべきではない」と感じさせる要因となる得る。また「ブランド性の欠如」を軸にブランドを構築することの危険性の表れとの見方もある。

一方で、Netflixはリミテッドシリーズ(初めから1シーズンで完結するよう制作された番組)で勢いを取り戻している。また、2026年はアクションやスリラーのオリジナル映画がけん引役となり、映画部門においても驚くほど好調な年となった。さらに同社は『スカイスクレイパー LIVE』や『The Roast of Kevin Hart』のような派手なライブイベントや、ビデオポッドキャストのような受動的な視聴オプションへの投資を拡大。Netflixを消費者の意識のトップに留め、かつプラットフォームへの定着を促す要素となっている。

ただ、『ONE PIECE』や『アバター 伝説の少年アン』は視聴者数が減少したものの、より早く新作を配信するため、シーズン2の放送に先立ってシーズン3の制作を決定するなど、Netflixが特定の種類の複数シーズンにわたるドラマに注力していると考える根拠は依然としてある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「

Netflixの人気作が、シーズン2で視聴者を減らしている。この現象は、私たちの「待ち方」が変わったことと無関係ではないだろう。かつてテレビドラマは、毎週決まった時間に少しずつ進み、次回を待つ間に友人と語り合った。その「待つ時間」こそが、作品への愛着を育てた。
 
ところが一括配信の時代、作品は一気に消費され、次のシーズンまでの一年余りは空白になる。熱が冷めるには十分な長さだ。
 
興味深いのは、競合の動きである。HBOやAppleは、あえて週に一話ずつ配信する方式を守り、続編で視聴を伸ばす作品も出ている。話題が毎週更新され、ファン同士の会話が続くからだ。
 
一気見の爽快さと、待つ楽しみの持続力。配信各社は今、この二つの間で最適解を探っている。作品を「消費されるもの」から「付き合い続けるもの」へ——続編を愛されるコンテンツにする鍵は、配信の設計にあることが見えてくる。