昨年8月にウォルト・ディズニーのアジア太平洋地域(APAC)ストリーミング事業責任者に就任したトニー・ザメツコウスキー氏が、米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター(THR)」に対し、APACにおける戦略を語った。

同氏は、直近ではNetflixで同様の役職を9年にわたり務め、同地域における成功の立役者。

APACのコンサルティング会社メディア・パートナーズ・アジアによると、ディズニーは最近、APACにおけるオリジナルコンテンツへの投資額でAmazon Prime Videoを追い抜き、Netflixに次いで2位となった。この一環で、韓国や日本のコンテンツへの投資を加速している。

ザメツコウスキー氏はディズニーが拡大に著しく遅れをとってきた日本市場について「われわれにとって最大の成長機会の一つであり、同国には膨大な創造性と知的財産(IP)が存在している」とコメント。日本で制作される実写コンテンツは現在、基本的に日本国内で消費されており、それを支えるのに十分な市場規模があるとした上で「弊社は過去に『ガンニバル』で確かな成功を収めており、今後、日本での制作はますます増えていく予定。最終的には、韓国コンテンツと同じように世界へ広がっていくことを期待している」と話した。

近々Disney+で配信予定の日韓共同プロジェクトドラマ『メリーベリーラブ』にも「大きな期待を寄せている」と話し、日韓間の共同制作も今後ますます増えていくトレンドの一つになると確認しているという。

ディズニーは今年4月、TBSホールディングス傘下の制作会社THE SEVENとコンテンツの共同制作を巡る契約を締結した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「『イカゲーム』が世界に届く土台を築いた立役者が、次の主戦場に日本を選んだ。昨年8月にディズニーのアジア太平洋ストリーミング事業を率いることになったトニー・ザメツコウスキー氏は、前職のNetflixで9年間、アジア各国の通信会社やメーカーとの提携を主導し、韓国コンテンツが世界へ羽ばたく配信基盤を整えた人物だ。その彼が今度はディズニー側で、日本市場の開拓に挑む。
実際ディズニーは、これまで英語コンテンツの輸出に頼り後れを取ってきたアジア現地制作のオリジナル投資を急加速させ、韓国『Moving』や日本『ガンニバル』の成功を機に、Amazonを追い抜きNetflixに次ぐ2番手集団の筆頭へと躍り出た。
配信基盤づくりのプロが日本に腰を据えたことは、Netflixが切り拓いた「ローカル発・グローバル展開」の回路が、日本のクリエイターにいっそう開かれていく前触れと読み取れる。」