ソニーグループ傘下のアニメ専門ストリーミングサービス「Crunchyroll(クランチロール)」は、台湾と韓国で完全ローカライズ版を展開する計画だ。バリで開催されたアジア太平洋地域のメディア・エンターテインメント業界ビジネスサミット「APOS」でのラウール・プリニ社長の話を元に、米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)などが伝えた。
台湾では今夏、韓国では今年後半のサービス開始を予定している。既にインドとタイでローカライズ戦略を展開しており、視聴者数と総視聴時間が大きく伸びている。
プリニ氏は「世界で最も熱心なアニメコミュニティが数多く存在する地域であるアジアは、優先度の高い市場」とコメント。一方で、アニメのファン層はZ世代やアルファ世代を中心に、現在世界で約15億人に達していると指摘した。このうち約1割は、アニメを単なる娯楽ではなく、自らの文化的アイデンティティの一部として捉えている、非常に熱心な視聴者である「ファンダムファン」に分類されるという。
併せて、アニメの成長をもはやストリーミングの指標だけで測ることはできないと強調。同社は劇場公開、グッズ、ゲーム、ライブイベント、オンラインコミュニティなどを包含する、より広範なエコシステムという観点からビジネスを捉えるようになってきている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「日本のアニメだけを世界に配信し、有料会員2,100万人超を抱える巨大サービスがある。ソニーグループ傘下のCrunchyroll(クランチロール)だ。
総合配信のNetflix(約3.25億人)に会員数では及ばないが、「アニメだけ」で2,100万人を集めた一点突破の強さがあり、1回あたりの視聴時間など熱量の指標ではNetflixを上回るという調査もある。
そのCrunchyrollが、台湾で今夏、韓国で年内に完全ローカライズ版を投入する。注目したいのは、世界に約15億人いるとされるアニメファンのうち約1割、つまり1.5億人規模が「ファンダムファン」、すなわちアニメを自らの文化的アイデンティティの一部とみなす最も熱心な層だと指摘された点だ。
グッズ・イベント・コミュニティに深く関与するこの中核層の規模こそ、ビジネス設計の鍵になる。日本発のコンテンツが、アジアを起点に文化として根づきつつあることが読み取れる。」














