米AI新興企業アンソロピックは5月9日、実在するアーティストの楽曲で構成された、YouTube上の24時間365日配信のプレイリスト「Claude FM」を配信開始。
アーティスト名と楽曲名は表示されているが、果たして音楽が適切にライセンスされ、報酬が支払われているのか疑問が上がっている。Digital Music News(DMN)が6月11日伝えた。
米掲示板サイトRedditで、少なくとも1人のアーティスト(ベン・セレタン)は、自身の楽曲が使用されていることを知らず、報酬が支払われているのかも不明だったことが明らかになった。一方、別のアーティスト(ユウキ・マシューズ)は「私の楽曲のうち3曲が(Claude FMでの使用に関して)アンソロピックにライセンス供与され、私のライセンサーに対し、使用料として標準的な金額が支払われた」と確認した。
これを背景に、アンソロピックは第三者のアグリゲーターやサービスを通じてライセンスを取得し、報酬はそのサービスを通じて支払われているという見方が強くなっている(YouTube独自のコンテンツIDシステムによるライセンス管理の可能性は低い)。
アンソロピックは、著作権侵害を巡り音楽業界と法廷闘争中。Claude FMはアンソロピックの大きな戦略的転換点となるものでなく、開発者たちがワークフロー用のBGMとして導入し、YouTubeを通じて一般公開したものに過ぎないようだ。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Claudeのアンソロピックが、YouTubeで音楽配信を運営している。しかも「人間が作った音楽だけ」で──少し意外な構図が見えてきた。同社は5月にSeries Hで$65B(約10兆2,505億円)を調達、6月1日にIPO申請を済ませた直後だけに、音楽業界との関係構築は今後のIPO評価にも影響しそうな局面だ。Anthropicは4月にSpotifyと統合(Claude内で会話的に音楽推薦・再生可能)、Melonとも提携済み。Claude FMは「ローファイ・ヒップホップ系24時間配信」市場(YouTubeで定着)への参入とも読める。AI企業が「AI音楽」ではなく「人間音楽」を選んだ事実そのものが、AI業界からのメッセージとも言えそうだ。」














