ラスベガスに総工費23億ドルの球体型アリーナ「スフィア(Sphere)」を所有する米スフィア・エンターテインメントは7月30日、2026年第2四半期(4〜6月)の売上高が3億1,360万ドル(約494億6,700万円)となり、前年同期比11%増加したと発表した。

スフィアのオリジナル没入型コンテンツシリーズ「スフィア・エクスペリエンス」の『オズの魔法使い』の上演回数を需要に合わせて増やしたことが貢献した。

営業損失は6,130万ドルと、1年前の5,020万ドルの赤字から拡大。会場の販売費及び一般管理費(販管費、SG&A)が30%増加したことが響いた。

売上高の内訳を見ると、会場収入は2億2,640万ドルと29%拡大。上演回数を増やしたことで、スフィア・エクスペリエンスの売上高が1年前から5,380万ドル伸びた。テレビ子会社のMSGネットワークスは8,730万ドルと18%縮小した。

『オズの魔法使い』は、昨年8月の公開以来、累計興行収入4億ドル以上を記録。ジェームズ・ドーラン会長兼CEOは、同作がラスベガスの会場で10年間にわたり上映される可能性があると述べた。

スフィア・エクスペリエンスについては、年内にエクストリームスポーツ・ドキュメンタリー『フロム・ジ・エッジ』、来年にミュージカル映画『ロッキー・ホラー・ショー』の上演を控えている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「1939年の映画『オズの魔法使い』が、2026年のラスベガスで興収4億ドル(約630億円)を稼いでいる。巨大球体Sphereが没入型に作り直して上映したところ、需要に合わせて回数を増やすほどの人気となり、決算を11%増収に押し上げた。10年間の上映もあり得るという。
これは映画館の再発明と呼ぶべき現象だろう。配信で何でも観られる時代、劇場に足を運ばせるのは「そこでしか得られない体験」だけだ。Sphereは16Kの球体映像と振動する座席で、名画を体験型のアトラクションに変えた。
U2やイーグルスの公演で培ったライブの空間演出を、映画に応用した格好である。音楽ライブで名を上げ、公演のない日は映画で稼ぐ二毛作も定着した。
カタログ映画が新技術で蘇るなら、次は音楽の番かもしれない。ABBAの「ヴォヤージ」のような、アバターによる往年のスターの公演——その受け皿として、この球体は完成している。」