Spotifyの上位50曲のうち「Explicit(露骨で過激な表現)」タグが付いているのはわずか13%に過ぎない――。データジャーナリストのダニエル・パリス氏の分析により、こうした実態が明らかとなった。

2018年1月時点でSpotifyのトップ50曲のうち約45%がExplicitに分類されていた。この割合は同年後半に74%に達し、その後(40%を下回ることはなく)変動を繰り返した後、2022年初頭には69%まで再上昇。その後徐々に低下し、現在は13%まで落ち込んでいる。

主流音楽の「クリーン化」の主な要因として、パリス氏はヒップホップの人気低下(少なくとも商業的な存在感の低下)と、ラジオで流されやすいカタログ作品(リリースから18カ月以上が経過した作品)の継続的な再生を挙げた。

伝記映画の影響でマイケル・ジャクソンらが新規リスナーを呼び込み、またカントリーミュージックの全体的な成長なども加味すれば、Spotifyのチャートに大きな変化が訪れつつあるとも言える。

一方、上位50曲におけるExplicit楽曲の割合は、Apple Musicが36%と比較的高く、Deezerは14%とSpotifyの割合に近い水準で、プラットフォーム間のリスナー習慣の違いも示唆される。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Spotifyの人気上位50曲のうち、過激な表現を含む曲の割合が、この数年で急落し、いまやわずか13%になった。かつて7割近い時期もあったヒット曲が、ぐっと「お行儀よく」なっているのだ。

背景には、聴き手の広がりがある。CDが主役だった時代、チャートを動かすのは熱心に音楽を買う層だった。だがストリーミングでは、実際に流して聴いた回数がそのまま順位に直結する。かつてラジオやテレビで流れる曲を耳にするだけだった世代も、いまやSpotifyを開き、その再生がチャートに反映される。子どもから高齢者まで世代が広がり、家族で一緒に楽しむ場面も増えた。食卓やドライブで流すなら、過激な曲より誰もが安心して聴ける曲が選ばれやすい。

ヒップホップの勢いにやや陰りが見え、カントリーや定番曲が存在感を増すことも後押しする。ヒットチャートの顔ぶれが静かに移り変わりつつあることが読み取れる。」