オーストラリアのアルバニージー首相は6月28日、昨年12月に施行された16歳未満を対象とするソーシャルメディア利用禁止措置の罰則を強化する方針を発表した。同国で16歳未満の80%以上が依然としてソーシャルメディアを利用していることを示唆する調査結果を受けた措置。
同法を順守しなかったソーシャルメディア事業者に対する最高罰金額を従来の2倍となる9,900万豪ドル(約110億8,900万円)へと引き上げる。併せて、現在Facebook、Instagram、Snapchat、TikTok、YouTubeによる同法違反の可能性を調査している規制当局の情報収集権限を強化する計画だ。
アルバニージー首相は「大手テクノロジー企業が法律を順守するために十分な措置を講じていないことは明らか。依然として、あまりにも多くの子どもたちがソーシャルメディアを利用している」とテック企業を批判している。
政府によると、昨年12月10日に同SNS規制が導入されて以来、16歳未満のユーザーが保有する500万件以上のアカウントが削除、無効化、または利用制限されたという。しかし、調査では、16歳未満のユーザーの大半は年齢制限を回避し、依然としてソーシャルメディアにアクセスしていることが示唆されている。
オーストラリアに続き、英政府もソーシャルメディア規制の導入計画を進めている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「オーストラリアで16歳未満のSNS禁止が始まって半年、その大半が今も規制をすり抜けている実態が明らかになった。手口はさまざまだ。
親のIDや顔認証を借りてログインしたり、VPNで海外からのアクセスを装ったり、なかにはネット通販で買った特殊なマスクで顔認証AIを欺こうとする例まで報じられている。500万件超の子どものアカウントが削除されても、8割以上が別の手段でアクセスを続けているという。
政府は罰則を2倍の約111億円に引き上げ、対応を迫られている。ここで浮かび上がるのが「年齢確認」の難しさだ。厳密に年齢を確かめようとすれば、全利用者の身元確認が必要になり、今度はプライバシーとの衝突が生じる。
子どもを守る目的と、利用者の匿名性をどう両立させるか。罰則を強めるだけで解決するのか、技術的な仕組みが要るのか。SNS規制の実効性を巡る議論は、各国で深まっていきそうだ。」














