名門インディー映画スタジオ「A24」製作・配給のホラー大ヒット作『バックルームズ』が、さらなる興行収入の拡大を狙っている。ファンを呼び戻すべく、15分間のボーナス映像を追加した新バージョン『バックルームズ:エブリシング・マスト・ゴー・エディション』を7月3日から劇場公開する。米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)などが伝えた。

米大手映画館チェーンのAMCシアターズのウェブサイトに掲載された情報によると、A24は新バージョンを「劇場限定のエンドロール後シーン」を含む作品として紹介しており、ケイン・パーソンズ監督による追加映像が収録されている。上映時間は2時間6分。

インターネット都市伝説を題材にしたYouTube発の『バックルームズ』は、製作費わずか1,000万ドルで、全世界興行収入3億3,000万ドル以上を記録。A24史上最高の興行収入を上げた作品となったほか、今年最も収益性の高い作品の一つにも数えられている。

なお、日本公開(通常バージョン)は9月4日で、ハピネットファントム・スタジオが配給を手がける。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「YouTube発の映画『バックルームズ』が、わずか1,000万ドルの製作費で世界興収3億3,000万ドル、実に33倍を稼ぎ出し、インディー映画スタジオA24の史上最高のヒット作となった。その作品が、追加映像版で興行のさらなる上乗せを狙う。
この成功は、いまのA24にとって大きな意味を持つ。同社は先日、GoogleのAI研究機関との提携を巡り、ファンから「人間の創造力を裏切った」と厳しい批判を浴びたばかりだからだ。
そのA24にとって、YouTube発の新鋭クリエイターが生んだ本作の成功は、「作り手の才能を見出す目利き」という本来の評価を思い出させる。
ネットで生まれた恐怖を、16歳の若者の感性ごと劇場作品へ育て上げた手腕は、まさにA24らしい。
AIを巡る逆風のなかで、この大ヒットは、同社が築いてきたブランドの底力を映す形になった。才能を見抜く力こそがスタジオの核心だと、あらためて感じさせる。」