AI関連設備投資の拡大が、米大手テクノロジー企業の利益を押し上げている。特筆すべきは、グーグルとアマゾンの利益が、米AI新興企業アンソロピックの評価益によって大きく左右されていることだ。決算報告書を基に、米経済誌フォーチュンが4月30日伝えた。

米グーグルの持ち株会社アルファベットの2026年第1四半期(1〜3月)の純利益626億ドルのうち、ほぼ半分(約287億ドル)は同社が保有する非上場企業の株式評価額を見直したことによるもので、主な対象はアンソロピックだった。アルファベットは4月にアンソロピックへの400億ドルの追加出資を発表。それ以前の時点でアンソロピック株の約14%を保有していたと推定されている。

米アマゾンの純利益(303億ドル)には「アンソロピックへの投資による営業外収益を含む168億ドルの税引前利益」が含まれており、これは同四半期の税引前利益の半分以上を占める。アマゾンによると、アンソロピックに投資した80億ドルは、現在700億ドル以上の価値があるという。

アンソロピックのような非上場企業の価値は、直近の資金調達ラウンドで少数の投資家グループが合意した金額に由来する。例えば、アルファベットがアンソロピックへの投資額を増やすと、アンソロピックの企業価値が押し上げられ、株価も上昇。アルファベットはその価値上昇分を自社の利益として計上することとなる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「注目したいのは、米AI新興企業アンソロピック(OpenAI出身者が設立した大規模言語モデル開発企業)への評価益が大手テクノロジー企業の利益に組み込まれる構造そのものだ。

アルファベット(Google親会社)はアンソロピック株を約14%保有しており、4月には400億ドル(約6.3兆円)の追加出資も発表。第1四半期純利益626億ドルのうち約287億ドル(ほぼ半分)はアンソロピック株の評価見直しによるもの。Amazonも投資した80億ドルが現在700億ドル以上の評価となっており、純利益303億ドルへの寄与は大きい。

アンソロピックの非上場企業価値は、直近の資金調達ラウンドで投資家グループが合意した金額に由来する。アルファベットが投資額を増やせばアンソロピックの企業価値が押し上げられ、その価値上昇分がアルファベットの利益として計上される——投資→評価上昇→利益計上の循環構造が、AI業界の財務会計の特徴として可視化されている。」