Spotifyは4月28日、2026年第1四半期(1〜3月)の営業利益が前年同期比40%増の7億1,500万ユーロ(約1,314億円)となり、第1四半期としては過去最高を記録したと発表した。値上げにより売上高も増加したが、広告動向や第2四半期の見通しが市場予想を裏切り、株価はプレマーケット取引で12%下落した。

総売上高は45億3,300万ユーロと8%拡大。粗利益率は33.0%と1年前から1.4ポイント改善した。純利益は7億2,100万ユーロと1年前の2億2,500万ユーロから大きく伸びた。

月間アクティブユーザー数(MAU)は12%増の7億6,100万人、有料会員数は9%増の2億9,300万人となった。

第2四半期については、総売上高が48億ユーロ、粗利益率が33.1%、営業利益が6億3,000万ユーロになると予想。MAUは7億7,800万人、有料会員数は2億9,900万人にそれぞれ伸びるとみている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「注目したいのは、Spotifyの直近成長が「先進国の量的拡大」から「新興国の浸透」へと地理的軸を移しつつある点だ。1Q決算でMAUは7億6,100万人(+12%)、有料会員2億9,300万人(+9%)と全体は順調に伸びたが、広告動向や2Q見通しが市場予想を下回り、株価はプレマーケットで12%下落。

背景には、新興国でのARPU(1人あたり収益)が先進国比で低く、量的拡大が即時の売上拡大にはつながらない構造がある。Spotifyにとって今は新興国市場での先行投資フェーズで、先進国の音楽ストリーミングがほぼ普及完了した今、次の成長軸はARPUの低い新興国に依存する。市場が見る「短期業績」とSpotifyの「中長期投資」の間に評価ギャップが生じている段階だ。

先進国で音楽サブスクは電気・ガス的なインフラ位置に近づきつつあり、投資家は評価軸の切り替えが必要となっている。」