AIを活用した映像制作技術を手がける米国のユートパイ(Utopai)スタジオは9月3日、DeNAとの日本におけるAIを活用したアニメーション制作に関する提携を発表した。
DeNAのエンターテインメント開発事業本部は、ユートパイのストーリーテリングAIシステム「PAI」を、自社の実験的なアニメーション制作ワークフローに導入する。ユートパイのAI制作専門家チームと密接に連携し、ビジュアル開発、キャラクター・背景デザイン、シーン設計、制作におけるイテレーション(試作の反復)全般におけるPAIの活用を検証する。
ストーリー展開、ビジュアルスタイル、演出、作品のトーンなど、全てのクリエイティブな判断における最終承認権は、引き続きアーティスト(クリエイター)が保有する。
PAIは、個別のクリップを生成するのではなく、多数のショット、シーン、エピソードにわたってプロジェクトの一貫性(連続性)を維持するように設計されている。既に、中国や米国の映画・テレビプロジェクトや、欧州、北米、アジアにまたがる国際共同制作プロジェクトでも活用されている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「DeNAが、米UtopaiスタジオのストーリーテリングAI「PAI」を、実験的なアニメ制作の工程に導入する。この提携で目を引くのは、PAIの設計思想だ。個別の映像クリップを生成するのではなく、多数のショット、シーン、エピソードにわたる「一貫性の維持」に主眼を置くという。実は、ここが映像AIの本丸である。数秒の見事な動画を作るAIは既に珍しくない。だが商業アニメの現場が求めるのは、何百カットにわたりキャラクターの顔、衣装、背景、光が揃い続けることだ。この連続性こそ人手と工数の塊であり、AIが最も苦手としてきた領域でもある。ゲームやIP事業で映像制作にも領域を広げるDeNAが、そこへ挑む道具を現場で検証する意味は小さくない。演出やビジュアルなど全ての判断の最終承認権は、監督らクリエイターが保持すると明記された点も、導入の作法として妥当だろう。一発の絵ではなく、物語を通した整合性。アニメ制作AIの評価軸は、そこへ移りつつある。」














