「芸術家の村」とも称されるフランスのサン・ポール・ド・ヴァンスで9月7日、映画と映像業界の未来に焦点を当てた初の国際サミット「ルミエール・サミット」が開催された。マクロン仏大統領は開会演説で、映画の未来を守るための世界的な取り組みを呼びかけ、ソーシャルメディアプラットフォームの「エンドレススクロール」が芸術的表現にもたらす脅威について警鐘を鳴らした。
マクロン氏は、即座の反応を引き出すように仕組まれた画像を人々が大量に消費することや、ユーザーが肯定的な反応をクリックする際の感情の高ぶりを危険視しており、「この絶え間ない(大量の画像)流れが、私たちの注意を釘付けにしてしまうせいで、何も見えなくなってしまう危険にさらされている」と指摘。創造性、観客を見つける力、考える力を根底から覆しており、芸術家や映画製作者にとっての課題となっていると述べた。
同サミットは、仏韓両大統領が共同議長を務め、5大陸65カ国以上から200人を超える政治家、エンターテインメント業界幹部、クリエイターらが集結。Netflixのテッド・サランドス共同CEO、ウォルト・ディズニー・カンパニーのダナ・ウォルデン社長兼CCO、NBCユニバーサル・エンターテインメントのドナ・ラングレー会長らが出席した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「フランスの芸術家村サン・ポール・ド・ヴァンスで、映画と映像の未来を話し合う初の国際サミット「ルミエール・サミット」が開かれた。仏韓両大統領が共同議長を務め、65カ国から200人超、NetflixサランドスCEOやディズニーのウォルデン社長も顔を揃えた。象徴的だったのは、マクロン大統領の開会演説である。映画の脅威として名指しされたのは、海賊版でも予算削減でもなく、SNSの「エンドレススクロール」だった。即座の反応を引き出す画像の絶え間ない流れが注意を釘付けにし、「何も見えなくなってしまう」と。作品の敵は、もはや別の作品ではなく、可処分時間を奪う設計そのものだという認識である。娯楽の競争が「どの映画を観るか」から「そもそも2時間を差し出せるか」へ移った現実を、国家元首が公式に言語化した場面と言えよう。映画の未来を巡る議論の主戦場が、業界の内から、注意経済という土俵へ移ってきたようだ。」














