アマゾンMGMスタジオは、完成間近のサム・アルトマンOpenAI共同設立者を題材とした映画『Artificial』の製作を中止した。アマゾンは2月にOpenAIへの500億ドルの投資を発表していた。米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)などが伝えた。
ルカ・グァダニーノ監督が手がけ、アンドリュー・ガーフィールドが主役を演じる同作は、2023年にアルトマン氏がOpenAIから解雇され、その後再雇用されるまでの短い期間に焦点を当てている。製作中止前の段階で、既に試写会が数回行われ、反応は非常に好意的だったとされている。
アマゾンの広報担当者は「『Artificial』は、別のスタジオから公開された方が作品にとってより良い結果になると考えており、制作チームと緊密に連携して、この映画の新たな配給先を探している」とコメント。報道によると、Netflix、ワーナー・ブラザース傘下のクロックワーク、A24などは購入を見送り、Mubiが最有力だとみられている。
グァダニーノ監督ははイタリアのテレビ局に対し、あまり詳しくは言えないとした上で「こうした産業政策は決して新しいものではない」とコメント。今回の事態に直接言及はしなかったものの、AIという技術よりもむしろ、その技術と、その世界的な利用を支配している企業に対する警鐘を鳴らした。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「公開元を失った映画が、それでも世に出る道を探している。アマゾンMGMが、サム・アルトマン(OpenAI共同創業者)を描いた映画『Artificial』の公開を見送ったが、作品はそのまま埋もれるわけではない。アマゾン自身が「別のスタジオから公開された方が作品のためになる」として新たな配給先を探しており、Mubiなどが引き取りに名乗りを上げているとされる。
本作はアルトマン氏を批評的に描いた部分があるとも示唆され、アマゾンがOpenAIに500億ドル(約7.9兆円)を出資した経緯と重ねて、今回の判断には様々な見方がある。それでも、完成度の高い話題作が宙に浮いたまま消えることは避けられそうだ。ルカ・グァダニーノ監督作で、アンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、試写の評価も高い。巨大企業の事情で公開がいったん止まっても、優れた作品には別の受け皿が現れる——そんな映画界のしたたかさも、この一件はのぞかせている。」














