全米での劇場公開を控えた映画『トイ・ストーリー5』のワールドプレミア上映が6月9日にロサンゼルスのエル・キャピタン劇場で行われた。上映後、ソーシャルメディアには非常に好意的な感想が溢れ、ピクサーが観客の心を震わせる新たな名作を生み出したことがうかがえる。米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター(THR)」が伝えた。

同作は、親たちが抱える現実の懸念、すなわち子供たちのタブレット端末への依存という問題を題材にしている。ピクサーの共同設立者である故スティーブ・ジョブズ氏が、アップルを率いてiPadの時代を切り拓いた人物であることを考えると、興味深いコンセプトとなっている。

THRの賞レース担当アナリストであるスコット・ファインバーグ氏は『トイ・ストーリー5』と主題歌「I Knew It, I Knew You」を歌うテイラー・スウィフトが共に、アカデミー賞の候補として有力視されているとみている。

『トイ・ストーリー5』は、全米で6月19日、日本では7月3日にそれぞれ劇場公開となる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「iPadという革新的なデバイスと、ピクサーという物語の工房——故スティーブ・ジョブズが遺した二つの遺産が、『トイ・ストーリー5』のスクリーン上で出会った。本作は、子どものタブレット依存という現代の課題を題材にしている。iPadの時代を切り拓いた人物が買収・独立させて誕生させたスタジオが、そのデバイスの影を描くという構図は、何とも示唆に富む。
6月9日のワールドプレミア後、SNSには好意的な感想が溢れ、アカデミー賞候補にも名前が挙がる。ジョブズにとってピクサーは、単なる投資先ではなく、経営者としての自らを鍛えた場でもあった。
彼がこのスタジオの経営を通じてトヨタ式の経営思想を学んでいった経緯は、拙著『NEXT BIG THINGS』で小説として描いている。本作とあわせて、その物語にも触れていただければ幸いだ。」