『オズの魔法使い』の没入体験の大ヒットを受けて、ラスベガスの球体型アリーナ「スフィア(Sphere)」が知的財産(IP)所有者から注目を集めている。スフィア運営会社のジェニファー・ケスター社長兼COOはここ数カ月、映画スタジオや権利者、映画製作者らと「数多くの話し合い」が行われてきたと明かした。米エンターテインメント業界誌デッドラインが伝えた。
オズの魔法使いの体験は、昨年8月の開幕から昨年末時点でチケット累計販売枚数が220万枚、収益が約2億9,000万ドル(約461億3,000万円、1枚当たり約132ドル相当)を記録。いまなお人気で、映画ファンが新たな体験のために、より高い金額を支払うことをいとわない市場の実態をも反映している。
今後のプロジェクトは、年内に公開予定のエクストリームスポーツ・ドキュメンタリー『フロム・ジ・エッジ」』以降、現時点では確定していない。それでもケスター氏は「観客を別の世界へ誘い、コンテンツと観客の間に存在する従来の壁を取り除くという点において、スフィアはまだ、ほんの一端に触れたに過ぎない」と話した。
同社の没入コンテンツスタジオ「スフィア・スタジオ」トップのキャロライン・ブラックウッド氏は「われわれの目標と目的は、忘れられない体験を生み出すことで、それらは独自の存在となることを意図している」と説明。スフィアのコンテンツは「まったく新しいメディアであり、たとえIMAXカメラを使ったとしても従来の映画を撮影することとは別物だ」と強調した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「映画ファンが「観るために、より高い金額を払う」時代が、ラスベガスのスフィアで具体的な数字として可視化されている。『オズの魔法使い』の没入体験は、昨年8月の開幕からわずか5ヶ月で220万枚のチケットを販売し、収益は約2億9,000万ドル(約461億3,000万円)、1枚当たり平均約132ドル(約2万円)。一般的な映画館チケット(米国で15ドル前後)の9倍近い価格でも、観客は喜んで列をなしている。スフィアは内側に世界最大級の球面LEDスクリーンを備えた球体型ドーム劇場で、観客を完全な没入空間に包む構造を持つ。IPホルダーが次々と協議を申し入れているのも、この経済的インパクトを目の当たりにしているからだ。配信プラットフォームでの再生回数競争とは別の軸で、「観るために集まる」体験の市場が、確かに育ち始めている。」














