国際映画祭における配給業務で15年以上の経験を持つモリッツ・シュナイダー氏が、業界の専門知識とAI・データ駆動型テクノロジーを組み合わせた映画祭マッチング・応募プラットフォーム「ミラロット(Miralot)」を立ち上げた。
このプラットフォームでは、映画制作者が自身の作品をアップロードすると、ジャンル、上映時間、言語、公開済みか否か、過去の映画祭選出歴などの要素に基づいて、最適な映画祭を提案。ワンクリックで直接応募できる。
現在、主要な国際映画祭から地域やジャンルに特化した映画祭まで、80カ国にわたる5,500以上の厳選された映画祭コンペティションを網羅している。
シュナイダー氏によると、世界には1万5,000以上の映画祭が存在し、映画祭への応募は、ますます高額かつ複雑になっている。映画制作者向けに、映画祭の情報発見、マッチング、作品応募の機能を統合することで、作品に合わないコンペに応募するコストを削減するとともに、これまで確立された映画祭配給会社だけが持っていたような戦略的な知見を提供する。
ベルリン拠点の同プラットフォームは、ディズニーやNetflixなどの大企業、世界各地の国際映画祭などで幹部を務めた人物らから支援を受けている。金融・テクノロジー分野の投資家も参画している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ストリーミング時代の到来でメジャー作品の選択肢は広がった一方で、インディペンデント映画はずっと厳しい立場に置かれてきた。劇場公開の機会は減り、配信プラットフォームの審査の壁も高く、世界に届く道筋がどんどん細っていく現実があった。そこへAIの力で道を開きにかかる試みが、ベルリン拠点のスタートアップ「ミラロット」だ。世界には15,000以上の映画祭があるが、その大半は作り手も名前を知らない。同サービスは作品のジャンル・上映時間・言語・公開状況・過去の選出歴をもとに、AIが最適な映画祭を自動でマッチングし、ワンクリックで応募までつなぐ。現在は80カ国・5,500以上の映画祭をカバーしている。Sundance、Berlinale、Cannesに目が向きがちだが、本当に作品に合う出口は、地域やジャンルに特化した中・小規模の映画祭にこそある場合が多い。膨大な映画祭のロングテールを、ふつうの作り手たちが手に取れる選択肢に変えていく仕組みが、ようやく動き始めた。」














