米国のZ・アルファ世代は、YouTubeをストーリーテリングの主要プラットフォームとみなしているーー。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を拠点とする非営利団体CSS(センター・フォー・スカラーズ・アンド・ストーリーテラーズ)が10月21日に公表した報告書から、こうした実態が明らかとなった。

CSSは今回、10〜24歳の1,500人を対象にメディアに関する認識調査を実施。72.9%がストーリーを最も効果的に伝えられるメディアはYouTubeだと答え、これにテレビ番組(70.3%)、映画(70.2%)、ビデオゲーム(68.5%)が続いた。

UCLA創設者兼CEOであるヤルダ・T・ウルス氏は「ゲートキーパーは変わり、若者自身が、何を見たいか、選んだコンテンツの中で何をもっと見たいかを決めている」と指摘。業界のリーダーたちは、若者自身だけでなく、青少年の健全な成長と幸福を念頭に置いている専門家たちの声にも耳を傾ける必要があるとの見方を示した。

『バックルームズ』『オブセッション 災愛』といった映画の成功や、ソニーがYouTubeのベテランを要職に採用したことは、主流のエンターテインメントスタジオがウルス氏の助言に耳を傾けていることを示している。一方で、テレビ番組や映画の主演にはインフルエンサーを好むと答えたのは、わずか16.8%にとどまった。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「数字の順位以上に、並び方が示唆的だ。「ストーリーを最も効果的に伝えるメディア」としてYouTubeが72.9%で首位に立ったが、テレビ番組70.3%、映画70.2%、ゲーム68.5%と、実はほぼ横一線でもある。つまり若い世代にとって、ハリウッドの大作も個人クリエイターの動画も、同じ「物語の棚」に並んでいるということだ。これは制作費の多寡や尺の長さが物語の格を決めない時代の到来を意味する。CSS創設者のウルス氏が言う「ゲートキーパーの交代」の核心はここで、かつては放送枠や劇場公開という関門が物語の序列を作っていたが、今は10代の視聴者自身が決める。映画会社にとっては脅威に見えるが、見方を変えれば、良い物語なら出自を問わず届く市場が生まれたということでもある。YouTube発の物語に投資する動きは、今後さらに加速していくはずだ。」